介護施設のシフト作成の問題点、作り方のコツとは?

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介護施設のシフト作成の問題点、作り方のコツとは?

介護施設のシフト作成は複雑で、頭を悩ませている施設・事業所が多いことと思われます。シフト作成に時間を取られてしまい、もう少しスムーズに調整できる方法はないかと考える方もいることでしょう。本記事ではシフト作成における問題点をふまえて、効率的な作成の仕方や調整のコツを紹介します。


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介護施設のシフト作成の問題点とは

介護施設のシフト作成がうまくいかず、時間がかかってしまうという声は多くの施設でよく聞かれます。中には月末ギリギリにならないとシフト表が出来ずに配布できないという場合もあるのではないでしょうか。その背景にはどのような問題点があるのかを整理してみましょう。

シフト作成に手間がかかる

介護施設のシフト管理を難しくしている要因には、職員の勤務条件や休日に加え、法令や人員配置基準を考慮しなくてはいけないということが挙げられます。その上さらに現状の稼働率や職員の希望も配慮して…となると、まるでパズルの組み合わせのようなシフト作成となってしまいます。

学校行事や資格試験などで、希望休が特定の日に集中してしまうこともあるでしょう。介護支援専門員や介護福祉士国家試験の日には、受験する職員が多い場合には、希望休が重なりやすくなります。出勤できる人数が減ってしまうだけで、シフト作成の難易度があがってしまいます。そのような中でも人間関係への配慮は必須です。スタッフ同士の相性や利用者へのサービス提供を考え、ベテランと新人のバランスに配慮することも必要です。

さらにシフト作成を担える人が限られてしまうというのも、特定の職員に負担がかかり、問題のひとつに挙げられるでしょう。シフト作成はスタッフの個人的な事情や収入に関わる業務であるため、リーダー職以上の業務になることがほとんどです。リーダーには勤務表作成や勤怠管理以外にも重要な業務があるため、まとまった時間を確保するのが難しいことが多いでしょう。

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シフト作成のために必要な人員が不足している

今や介護業界全般で必要な人材が足りていない状況といえます。とはいえ、必要な人員を配置しなければ法令違反となってしまい、最悪の場合は指定取り消しのペナルティをうけることにもなりかねません。ただでさえ限られた人員をコンプライアンスに沿って配置しなくてはいけない状況は、シフト作成を難しくしている原因のひとつになっています。

介護職員の確保が難しくなっている状況の中、2021年の介護報酬改定では人員基準の緩和がおこなわれました。さらに最近では、介護施設の人員配置基準を3:1から4:1へ緩和しようという議論もなされています。しかしこれには現場スタッフの負担や不安が増えるという懸念があるため、今後の議論に注目が集まります。

公平なシフト作成が難しい

生活の事情により稼ぎたいと希望するスタッフや時間に制限のあるスタッフなど、スタッフの抱える事情はさまざまです。さらに正社員からパートまで多様な雇用形態があるため、介護施設のシフト作成は難易度が高いものになっています。事情を考慮するあまりに公平中立性に欠けるかたよりすぎた勤務シフトを組むと、ほかのスタッフから不満が出る原因となります。

職員全員が満足する公平なシフトを作成することは、本当に難しいといえます。能力や適性に合わせた配置を考えたいと思っても、人材不足の中では業務を遂行することのほうが優先になってしまいがちです。そのような状況でスタッフ個々の要望をすべて取り入れるのは、非常に困難であることに間違いはありません。

公平な勤務シフト作成のコツは別記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

シフト作成にあたっておさえておくべきこと

スタッフから不満の出ない、公平なシフトを作成できることは、介護施設にとっては理想そのものです。シフト作成の前提として、どのようなことに取り組む必要があるのかを紹介します。

スタッフの希望する働き方を理解する

介護施設には、正社員やパートなど多様な雇用形態のスタッフがいます。送迎職員や周辺業務を担うスタッフなど、さまざまな職種が働く場です。個々のスタッフに「どのような働き方をしたいか」を確認することは、とても大切なことです。夜勤の回数や休みの間隔、生活スタイルや希望の収入、土日祝日の勤務についてなど、細かいところまでヒアリングをする必要があります。

「採用時にしっかり面接をしているから大丈夫」と安心してはいけません。家庭環境や子どもの年齢など、スタッフを取りまく環境は生活状況に応じて年々変化していくものです。仕事に対する意欲も、それに伴って変化するものと考えてよいでしょう。

定期的に面談を行って現状把握することは、自分が職場に大事にされていると感じることにつながり、従業員の満足度がアップする効果もあります。面談以外に、日頃のコミュニケーションの中でも確認していくことがおすすめです。

希望休のルールを明確にする

休日が不規則な介護現場では、希望休のシステムを取り入れているところが多いでしょう。希望休とは事前の申請で休日を願い出るものですが、希望が多すぎるとシフト調整が困難になってしまいます。そのため、ルールを明確にして周知する必要があります。

1ヶ月に使える希望休の日数や申請の締め切り、同じ日に集中した場合の取り扱いなどをルール化しておくことが大切です。このルールが曖昧になると、スタッフ間で不公平感が生まれてしまいます。役職や雇用形態で差を設けるかどうかも明確にしておくとよいでしょう。

人員配置基準や労働基準法、就業規則を確認

介護施設のシフトを作る上では、人員配置基準をしっかり把握して遵守する必要があります。これが守られていないと、行政処分の対象となり得るので注意が必要です。常勤換算法を用いて、配置基準が満たされているかをチェックしましょう。

シフトを作成するにあたり、労働基準法もしっかり把握する必要があります。定められた労働時間や休憩時間、休日数に従ったシフトにしなくてはいけません。近年では労働基準法によって有給休暇取得のルールが設けられ、年5日の取得が義務化されています。これは有給付与の対象者であれば、アルバイトやパートでも適用されるものなので、計画的に取得するように促すことが必要です。

また、就業規則で法人ごとに定められているルールも、しっかり確認しておきましょう。

介護施設におけるシフト作成のコツとは

毎月頭を悩ませるシフト作成を、スムーズに行うためのコツをまとめてみました。

希望休や研修などの「確定要素」からシフトを組む

事前に明らかになっている希望休や外部研修の予定、イベントなどから先にシフトに落とし込んでいきます。さらに、勤務条件が確定している非常勤のシフトを先に決めてしまうとよいでしょう。

このように、変更のきかない内容のものからシフトに組み込んでいくことがポイントです。あとからシフトに組み込もうとすると調整にとても手間がかかるので、分かり次第シフトに入れていくことをおすすめします。

夜勤を決めていく

基本的な夜勤者のローテーションを事前に作っておくと便利です。ある程度の法則性があると、スタッフも予定が組みやすくなって便利な面があります。基本形さえできてしまえば、あとは希望休などに合わせて入れ替えを行うとスムーズにシフトが決まるでしょう。

夜勤は一番負担の大きい勤務形態なので、日頃から身体の負担なく業務に入れるような仕組み作りをしておきます。労働基準法を基本に「夜勤→明け→休み」をひとつのパターンとして考え、一定のペースで公休を入れるように配慮します。

介護職以外で配置基準がある職種のシフトを組む

次に、定められた配置基準のある職種のシフトを組んで行くとよいでしょう。人員配置基準がある主な職種には、相談員や看護師、機能訓練指導員などが挙げられます。介護施設ごとに配置基準が違うので、自施設がどれに該当するのか、自施設の規模で必要となる職種と人数をしっかり把握しておきます。人員配置基準は、厚生労働省や各都道府県や区市町村のホームページで最新の情報を確認できるので、作成前にチェックしておきましょう。

シフト作成は完璧を目指さない

効率的なシフトを作成したいと思ってもうまくいかず、毎月悩んでいる人も多いはずです。そこで発想を転換し、「完璧なシフトは目指さない」と考えるのも重要です。若干のかたよりや不公平が生まれてしまったとしても、翌月以降のシフトで埋め合わせすればよいと柔軟に考えましょう。

非常勤の多い介護施設では、シフトを分割化するのも効果的です。たとえば、日勤を午前と午後で日勤Aと日勤Bに分割し、非常勤2名で対応します。完璧を目指さないことで柔軟に対応すると、意外な活路が見えるかもしれません。

時間外勤務やヘルプを検討する

いろいろ考えた結果、どうしても配置ができないという場合は、上長に相談してヘルプを要請してみましょう。複数事業所を持つ法人であれば、ヘルプとして応援勤務が期待できる場合もあります。

ヘルプが難しい場合には、早出や残業などの時間外勤務に対応できるかをスタッフに相談してみるとよいでしょう。非常勤スタッフに、勤務日以外の出勤が可能かを相談してみるのもよいかもしれません。いずれの場合も、無理なお願いした後にはフォローが、今後のコミュニケーションにも重要です。日頃からモチベーションの低下を防ぐような働きかけを心がけましょう。

シフト表作成ソフトなどを導入するのも一つの方法

様々な工夫を凝らし、できる限り効率化を図ろうとしても、なかなか上手くいかない…と悩んでいる場合は、シフト表作成を支援してくれるシステムやソフトを導入するのも一つの方法です。最近ではクラウドサービスによって誰でも簡単かつ効率的にシフトを作成できるようになりました。

介護事業者専用のシフト管理サービス「CWS for Care」なら、人員配置基準や加算要件のチェックはもちろん、勤務実績を入力するだけで勤務形態一覧表が出力できるので、介護事業者様のシフト管理の業務効率を大幅に向上させることが可能です。

介護施設のシフト作成にはコミュニケーションが必須

介護施設においてシフト作成をする上で重要なのは、スタッフとのコミュニケーションであることは間違いありません。日頃から、働き方に対する考えや家庭の事情などを、会話の中で意識して聞いていくことが大切です。

シフトがどうしても埋まらない場合、スタッフに無理をお願いする場面も出てくるかもしれません。その際に「仕方ないな、協力しようか」と思ってもらえる関係性を構築しておくことを普段から心がけましょう。

信頼関係が構築できれば、シフトに対する不満を未然に防ぐ助けになり、仮に不満が出てもフォローが容易になるでしょう。スタッフとの円滑なコミュニケーションこそ、スムーズなシフト作成をする上での一番の重要ポイントなのです。

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