介護の人材不足を補うため、外国人を採用する施設が増えています。介護施設の経営者・人事担当者で、特定技能外国人の採用をお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「どの国の人材がいいのだろうか」
「ネパール人の特定技能はどうだろう」
「ネパール人を採用する方法について知りたい」
本記事はこのようにお悩みの方に向け執筆しました。ネパールの特定技能人材を受け入れるための流れと注意点、ネパール人について解説します。
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目次
ネパールの特定技能人材を採用する流れ
ここではネパール人を特定技能として採用する際の流れをご紹介します。
求人情報の公開
ネパールの特定技能外国人を雇用する場合、ネパール人に対して日本の受け入れ機関が採用活動を直接行うことが認められています。受け入れ機関が駐日ネパール大使館に求人の申し込みをすることも可能です。
特定技能雇用契約の締結
受け入れ機関は「技能実習2号または3号を良好に修了したネパール人」もしくは「特定技能試験に合格したネパール人」と特定技能の雇用契約を締結します。
在留資格認定証明書の交付申請
受け入れ機関は地方出入国在留管理官署に「特定技能に係る在留資格認定証明書」の交付申請を行います。受け入れ機関は交付された証明書の原本をネパール人に郵送します。
以下の記事では海外にいる人材と日本国内にいる人材によってどのように手続きが変わるのか解説しています。あわせてご確認ください。
ビザ発給の申請
契約を結ぶネパール人は、日本より郵送された在留資格認定証明書を在ネパール日本国大使館に提示し、特定技能に係るビザ発給の申請を行います。
住居の準備や現場職員への説明
特定技能外国人が働く環境を整えます。住居の確保や国民性や宗教について現場職員へ説明会を開くなど、入国後スムーズに日本に馴染めるよう準備を行います。
日本へ出国・就労開始
手続きを行ったネパール人は、日本での審査の結果、条件に適合していると認められれば上陸が許可されます。許可されると「特定技能」の在留資格が付与され、就労を開始することができます。
特定技能の受け入れには様々な準備や対応が求められますが、ビザの申請や生活サポートなど支援の一部を登録支援機関に委託し、介護事業所の負担を減らすことが可能です。一般的には登録支援機関を利用し、支援の委託契約を行った上で特定技能人材を採用する場合が多く見受けられます。
日本在住のネパール人を特定技能として採用する流れ
日本在住のネパール人を特定技能として受け入れたい場合は、以下の流れを参考にしてください。
雇用契約の締結
日本在住のネパール人を特定技能外国人として受け入れたい場合は「特定技能に係る雇用契約」を締結します。
契約できるのは「技能実習2号を良好に修了した人」や「日本語試験」「技能試験」に合格している等の「特定技能」の採用基準を満たしている人です。
「特定技能に係る雇用契約」で定めなければならないとされている内容は以下の通りです。
- 従事する業務
- 労働時間
- 報酬額
- 差別の禁止
- 有給休暇
- 生活状況の把握
在留資格変更許可申請
特定技能外国人として就労するためには、地方出入国在留管理官署に対して「特定技能」への在留資格変更許可申請を行います。留学生など日本で社会保険に加入していなかった外国人は、国民健康保険や国民年金の支払い状況について証明をする必要があります。納税証明書や源泉徴収票などの提出も求められます。
特定技能ビザの取得
在留資格の変更ができると「特定技能1号」(介護は1号となる)へ移行され、在留カードとともに指定書が発行されます。
就労開始
すべての手続きが完了すると「特定技能外国人」として就労できます。就労後は3ヶ月に一度活動状況を出入国在留管理庁に報告する必要があります。
ネパール人を特定技能として受け入れる前に知っておきたいこと
特定技能で受け入れる方法や流れが理解できたところで、受け入れる前に知っておきたいネパール人の特性について紹介しましょう。
ネパール人の多くが信仰しているヒンドゥー教について
ネパール人の80%が信仰しているヒンドゥー教は、深く根付いた習慣や身分(カースト)など多様な特徴があります。右手は神聖、左手は不浄であり、人の頭を触るのは良くないなど日常生活で注意すべきことが様々あります。
個人の信仰により異なりますが、肉全般(牛は神聖な動物、豚は不浄な動物とされている)、魚介類、卵、香りが強い五くん(ニンニク・ニラ・ラッキョウ・玉ねぎ・アサツキ)は避けるべき食材とされている場合もあります。調味料や出汁にも注意が必要です。
断食をという文化もありますが、実際に行うかどうかは信仰度により異なります。
ネパール人の特徴
初対面では遠慮がちですが、打ち解けると人懐っこい国民性で、助け合いの文化があります。雪や寒さに慣れているため、北日本での採用にもおすすめです。時間の感覚が日本人と異なり「時間にルーズ」と思われてしまうことがあるかもしれません。漢字は苦手な場合が多く、やや大雑把なところも見受けられます。
ネパール人の人口や公用語
人口は2019万人(2021年ネパール中央統計局、外務省)、公用語はネパール語です。多民族国家であり言語も様々です。企業・教育機関では英語が多用されているため、多くのネパール人は英語を話せます。
ネパール人の平均月収
日本円にすると月2〜3万円です。日本の平均月収が30万円ですので、低いことがわかります。このような背景から、母国であるネパールを離れて働く選択肢があることも理解できます。
ネパール人以外にも特定技能制度を利用している国はあるの?
日本と2国間協定を結び協力覚書を作成している国は以下の12カ国です。
・カンボジア ・ベトナム
・インドネシア ・モンゴル
・ネパール ・ウズベキスタン
・フィリピン ・スリランカ
・ミャンマー ・インド
・タイ ・バングラディシュ
この中でインドネシアでは日本語教育が盛んで、日本語学習者数は中国に次ぎ世界第2位です。インドネシア人の日本語は聞き取りやすく、魅力的な人材であると言えます。
ネパール人を受け入れる際に施設内で共有しておくこと
ネパール人を受け入れる際に、施設の人材と共有しておくべきことを紹介します。
現場全での宗教や文化への理解
受け入れ前には職員間で宗教や文化について情報を共有し、理解するようにしていきましょう。異国での就労はさまざまな不安が伴います。文化や宗教も大きく違うため精神面のフォローも必要不可欠です。言語の習得には時間がかかりますので根気強く、ゆっくり丁寧にコミュニケーションをとるようにしましょう。
食べ物などのへの配慮
人により制限の内容、程度が異なります。事前に食べられないものを確認し、個別の対応ができるようにしておきましょう。料理に含まれる食材、含まれない食材を説明し安心して食べられるよう配慮が必要です。盛り付けは個別の器にするのがベターです。大皿ならトングやスプーンを準備します。他人の食器と食事が触れないように工夫しましょう。
断食中の配慮
断食中は周囲の理解が大切になります。健康面で心配になるかもしれませんが、過度な心配はせず、優しく見守りましょう。お互いを理解するために話をよく聞く機会を設けると良いでしょう。
スタッフプラスならクオリティの高い外国人人材のご紹介ができます
助け合い精神の強いネパール人は介護職として魅力的な人材です。
特定技能の採用にはそれぞれの受け入れ候補となる国の特徴や、送り出し機関の育成内容や登録支援機関のサポートを把握することが必要です。
送り出し機関では、学習カリキュラムや試験の合格率、外国人候補者が面接で日本に来たあとの目標、日本で働く予定期間、介護福祉士の取得意思はあるのかなど確認します。
登録支援機関では、日本で長く働くために必要な介護福祉士資格の取得サポートはあるのか、生活支援や住居の準備、書類の手続きなどどこまでサポートしてくれるのか確認しなければなりません。
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