介護現場で活かす!排泄介助:臀部の洗浄

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介護現場で活かす!排泄介助:臀部の洗浄

排泄介助の際に水気が残っていると不快感や褥瘡の原因になるので、水気を残さないでください。また転落などの事故防止にも配慮し、お声がけをしながら行うように心がけましょう。

今回は、臀部の洗浄をご紹介させていただきますので、皆さんのケアの質の向上にご活用いただければ幸いです。


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臀部の洗浄の手順

1.介助者側に向いて側臥位を取ってもらう

介助者側(手前)に向いてもらう方が、介助者の身体や肘で利用者の体を支えながら行えるため、洗浄しやすくなります。利用者にとっても転落の防止になり安心に繋がります。

<側臥位の手順>

自然な動き

  • 膝を立て、膝を倒す。
  • 向く方向に顔を向け、反対側の腕を向く方向にもっていく。

重心の動き

自然な動きは、重心を移動しやすくするために行っています。

  • 立てた膝を倒すことで、身体のなかでもっとも重い臀部を横に倒すことができる。
  • 向く方向に顔向け、反対側の腕を向く方向に持っていくことで、上半身を横に倒す。

危険予測

  • 下になる腕を巻き込んでしまう。
  • 臀部と上半身を横に倒す時間の差があり過ぎると、下半身と上半身がねじれすぎてしまう。

介助手順・関わり

  • 顔を向く方向に向ける。
  • 腕を巻き込まないよう体の上で両腕を組む。
  • 膝を立て、膝から倒す。体のねじれを作りすぎないよう、臀部・肩にも手を添え介助する。

※手袋をつけた手が利用者の身体に触れないよう配慮すること。

体位についての詳しい解説はこちらの記事で確認できます。

2.臀部・肛門に湯を掛けながら手で洗浄する

<再利用を考える>

オムツに排泄がない場合は再度使用できるので、オムツを濡らさないように尿取りパッドをしっかりと臀部の下に入れ込み、洗浄する(排便がある場合は、パッドを先に取り除いてもよい)。

オムツを再利用することなど、できる限り利用者の負担を軽減する配慮をする(主に経済的負担)

3.温タオルで臀部を温め、水分を拭き取る

4.乾タオルで水気を拭き取り、乾タオルを臀部に掛けて置く

<水気は残さない>

水気が残っているとオムツの中が蒸れてしまいかなり不快であり、褥瘡の原因にもなり得る。

5.使用済みオムツ・尿取りパッドを内側(臀部側)に丸め新しいオムツ・尿取りパッドを平行にセットする

<オムツの位置>

  • 前後のセット:前のオムツが適切な位置に着けられていたら、その位置に合わせる。
  • 左右のセット:仙骨とオムツの中央を合わせる。

※セットした後、逆側臥位をとってもらうとその方向に押し出されるので、奥まで押し込む形でセットする。

6.臀部の洗浄(介助者側に向いた逆側臥位)

  1. 介助者と逆側を向いて側臥位を取る。
  2. 使用済みオムツ・尿取りパッドを除去し、新しいオムツ・尿取りパッドを広げる。
  3. 温タオルで温めながら清拭する乾タオルで水分を拭き取り、陰部に掛けておく。

臀部はすでに(介助者側に向いた側臥位)で洗浄済みなのでここでは清拭のみを行います。

※先に行った側の洗浄の際に、できるだけ奥まで洗浄しておく。

毎回同じ向きで洗浄していると片側しか洗浄できないので、どちら側を洗浄したかを記録に残して交互に洗浄などするとよい。

7.おむつ装着

  1. ゴム手袋を外す。
  2. オムツ・尿取りパッドを装着する。

<鼠径部に沿わせる> 

おむつは、鼠径部にきちんと沿っていないと漏れやすく、不快に感じます。

※鼠径部(そけいぶ):ももの付け根

膝を立てたまま、尿取りパットを内側が山になるようW字に折り、身体に沿わせる(排尿時、吸収するため)。

尿取りパットに片手を沿えたまま、肛門の少し上に当たる部分のギャザーの両内側をつかんで寄せ、そのまま身体に沿わせる。

膝を伸ばして腹部の上で開いたオムツの端を片側ずつ装着する。反対側に引っ張り鼠径部に沿わせてから戻す。

<テープの留め方>  

テープを留める位置が適切でないと着心地も悪く漏れやすくなる

  • 足を伸ばすとオムツの位置が若干下にずれるので、足を伸ばしてもらってからテープを下から留める。
  • オムツに印刷してある線を参考に左右対称に留める。

<おむつの状態を確認>

  • 窮屈ではないか、またゆる過ぎないか、指を1本差し込んで確認する。
  • 指が1~2本入るくらいがちょうどよい。

<皺は伸ばす>

オムツ類にしわがあると大変着心地が悪いので、オムツの縦・余り部分は皺がないようしっかりと伸ばす。

8.着衣

  1. 膝を立て、腰を上げてもらい下衣を上げる。
  2. 側臥位になってもらい、オムツの内側に指を入れ、尿取りパッドに折れ・ズレがないかを確認する。
  3. オムツ・下衣・上衣・シーツのしわを伸ばす。
  4. 掛物を掛け、上半身のバスタオルを取る。

ホコリが立たないよう身体に沿わせて静かに掛け、掛物の中に手を入れ、バスタオルを静かに取る。

※オムツに皺があると不快である上に、褥瘡の原因となるので注意

9.片付け

  • まずは、転落などがないように安全確保する。
  • 手すりを付けベッドを元の高さに戻す。
  • 再度ゴム手袋を装着し物品を片付ける。
  • 使用済みオムツは小さく丸め新聞紙に包んで捨てる。

<オムツの捨て方>

悪臭などで利用者に迷惑をかけないよう十分に配慮する。便はトイレに捨てる。オムツはなるべく小さく丸め、新聞紙が開かないようしっかりと包む。

オムツを入れ、新聞紙でクルクルとなるべく小さくなるように丸める。

両端を折る。

再度丸めて、端を折り込む。後で開いてしまわないようにしっかりと。

最終的なイメージはこちらです。

10.手を洗い、利用者に挨拶し、終了・退室をする。

後片付けもしっかりと

新聞紙には水分を吸収し、脱臭効果もあると言われていますので、上手く活用しましょう。またゴミ処理に関しては、苦情になることがないように、地域の方法にしたがってください。

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