採用サイトは、就職・転職を希望する人に向けて、自社の採用情報を発信することを目的とするホームページです。スマートフォンが全世代に普及し、インターネットでの情報収集が若者からシニア世代まで浸透している現在、採用サイトを通して、積極的に情報発信をしていくことは非常に有効です。これから採用サイトを作成する際や、採用サイトの強化を検討する際に、意識したいポイントを紹介します。
目次
採用サイトはなぜ必要か?
そもそも採用サイトを持つことは、なぜ重要なのでしょうか。その理由は、インターネット・スマートフォンの普及で、私たちの情報収集のスタイルが大きく変わったことが挙げられます。
以前の採用活動では、何らかの媒体を通して発信した求人情報を目にした求職者が、主に媒体に掲載された情報を基に応募を検討していました。しかし、気軽にインターネットで情報収集ができる現在、ハローワークや求人サイトなど様々な場所で、求人情報を目にした求職者の多くは、よりしっかりと比較検討をするために、インターネットで検索を行い、追加の情報を探しています。
その際に、公式の採用サイトが存在していなかったり、情報が充実していない場合、よりしっかりと情報発信をしている競合他社と比べて興味・関心が深まらずに、応募まで至らず機会ロスとなってしまう可能性があります。
公式の採用サイトを持つことで、求職者に検索・閲覧してもらうことで、求人サイトの統一したフォーマットでは伝えられない求人情報の詳細や、仕事や職場のイメージが深めることのできる情報を届けることで、求職者の応募意欲が高まり、応募につなげることができます。
これからの採用活動では、求人媒体への情報掲載に加え、自社の採用サイトを整え、しっかりと情報を届けることが非常に重要であると言えるでしょう。
採用サイトづくりのポイント①:求人情報だけでなく、職場としての施設の情報を届ける
それでは、採用サイトをつくる際に、どのような内容にしていけばよいのでしょうか。まず意識していただきたいポイントは、「求人情報だけでなく、働くイメージが深まる情報を掲載する」ということです。
求人のためのサイトのため、募集要項などの求人情報のみを掲載している採用サイトもありますが、求職者が採用サイトに期待するのは、募集要項だけでは見えてこない情報です。職場の様子や、働いている社員の声、会社の制度・取組など、求人票の文字情報だけでは伝わりにくい情報を、写真や動画なども交えながら掲載することで、求職者も働くイメージを高めることが出来ます。
介護・福祉の仕事を探している人の場合、職場の雰囲気や働いている職員の様子、研修・教育体制などの情報を知りたいという声も多いので、このような情報をしっかりと届けることを意識しましょう。
採用サイトづくりのポイント②:「リアル」を届ける
2つめのポイントは、出来る限り「リアル」な情報を届けるということです。
せっかく別の媒体で求職者が関心を持ち、より詳細の情報を知りたいと採用サイトを訪れても、素材サイトの写真やイラストのみを使って構成されているサイトの場合、なかなか「自社らしさ」が伝わらず、求職者の関心・意欲が高まりません。
また、自社の公式サイトの情報の場合は、「採用したいから、よいことばかり書いているのではないか」と疑いの目を持つ求職者もいます。そのため、より実際のイメージをリアルに届けるためにも、可能な限り職員や利用者に協力の同意を得て、実際の仕事の様子や日常の様子を撮影・掲載できる体制を整えることが理想です。
より「リアル」な情報を提供するためには、職員の皆さんの前向きな協力が不可欠です。サイト制作を進める前に、職員の皆さんにもサイトの重要性を説明して協力を仰ぎ、「よりよい仲間を迎えるために、皆で協力しよう」という意識を組織全体で持つことが、よいサイト作りにつながります。
また、例えばキャリアモデルや福利厚生制度などを紹介するときにも、ただ情報として制度を紹介するだけでなく、それを活用している職員の声と共に届けることで、求職者がイメージを持ちやすい情報になります。制度・取組そのもの以上に、それを利用して働くイメージを持てるかどうかが、採用サイトを通して求職者の意欲を高めるのに重要となります。
シンプルでもOK。できるところから始めよう
「採用サイトが重要なのはわかるけれども、なかなかお金も時間もかけられない…。」介護・福祉事業者の皆様からは、よくそんな声も頂きます。
確かに一からサイトをつくろうとすると、費用も時間も多くかかります。もちろん、費用・時間をかけて、立派なサイトをつくることができれば、その分効果も期待が出来ますが、制作のハードルが高いために、着手できないまま時間だけが経過する…という状況は避けなければなりません。
まずは簡易的なものでも構いませんので、採用サイトを制作することをおすすめします。最近は、サイト制作の知識がなくても、感覚的にサイトを無料で制作できるサービスも増えています。そういったサービスも活用しながら、ポイントを絞って出来る範囲から職場の雰囲気や社員・利用者の様子が伝わる写真や情報を用意し、求人情報だけでは伝わらない魅力を届けていきましょう。その際は、求職者の主な使用ツールであるスマートフォンでも見やすい形に最適化することも重要です。
また、求職者に「このサイトが法人の公式の採用サイトだ」と分かりやすいように、検索時の表記方法(文冒頭に【公式】とつけるなど)や、URLなども工夫すると、求職者のアクセスにつながりやくなります。
求職者に求人情報を知ってもらう他の求人媒体と上手く連携をしながら、より自社に関心を持ってもらう魅力発信のツールとして、採用サイトをうまく活用することで、応募者を増やしていくことにチャレンジしていきましょう。