感染症予防の対策~標準的な予防策と感染症発生時の対応~

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感染症予防の対策~標準的な予防策と感染症発生時の対応~

私たちの介護の基本は「ケアプランに沿って、マニュアルや手順書に沿い基本に忠実に行う」ですが、感染症予防も「マニュアルや手順書に沿い基本に忠実に行う」が継続した防止策につながります。今回は『感染症予防の対策~標準的な予防策と感染症発生時の対応~』についてご紹介しますので、皆さんの施設・事業所の感染症予防の見直しにご活用頂けたら幸いです。

感染症発生時の対応

発生時の対応として、次のことを行いましょう。

  1. 「発生状況の把握」
  2. 「感染拡大の防止」
  3. 「医療処置」
  4. 「行政への報告」
  5. 「関係機関との連携」

発生状況の把握

感染症や食中毒が発生した場合や、それが疑われる状況が生じた場合には、有症者の状況やそれぞれに講じた措置等を記録しておきます。

◇ ご利用者・ご入居者と職員の健康状態(症状の有無)を、発生した日時、フロア及び 居室ごとにまとめます。

◇ 受診状況と診断名、検査、治療の内容を記録しておきます。

職員がご利用者・ご入居者の健康管理上、感染症や食中毒を疑ったときは、すみやかに報告する体制を整えておく必要があります。管理者は、報告を受けた場合、施設内の職員に必要な指示を行います。

感染拡大の防止

職員は、感染症若しくは食中毒が発生したとき、又はそれが疑われる状況が生じたときは、拡大を防止するため速やかに対応しましょう。

  • 発生時は、手洗いや排泄物・嘔吐物の適切な処理を徹底しましょう。
    職員を媒介して、感染を拡大させることのないよう、特に注意を払いましょう。
  • 協力医療機関の医師や事業所の看護職員の指示を仰ぎ、必要に応じて施設内の消毒を行いましょう。
    協力医療機関の無い事業所は、管轄保健所へ対応策を相談し、実施しましょう。
  • 必要に応じて、感染したご利用者・ご入居者の隔離などを行いましょう。

事業所の看護職員は、感染症若しくは食中毒が発生したとき又はそれが疑われる状況が生じたときは、被害を最小限とするために、職員に適切な指示を出し、速やかに対応しましょう。感染症の病原体で汚染された機械・器具・環境の消毒・滅菌は、適切かつ迅速に行い汚染拡散を防止しましょう。消毒薬は、対象病原体を考慮した適切な消毒薬を選択する必要があります。管理者は協力医療機関や保健所に相談し、技術的な応援を頼み指示をもらいましょう。

医療処置

職員は、感染者の症状を緩和し回復を促すために、すみやかに医師に連絡し、必要な指示を仰ぎましょう。必要に応じて、医療機関への移送などを行います。

看護職員は、感染者の重篤化を防ぐため、症状に応じた医療処置をすみやかに医師に 連絡し必要な指示を仰ぎましょう。必要に応じて、医療機関への移送などを行います。

医師は、感染者の重篤化を防ぐ為、症状に応じた医療処置を速やかに行います。また、診療後には保健所への報告お願いしましょう。

行政への報告

管理者は、次のような場合、迅速に、市町村等の所轄部局に、報告することとされています。併せて、保健所にも対応を相談します。

<報告が必要な場合>

※厚生労働省通知(H17.2.22)「社会福祉施設等における感染症発生時に係る報告について」より

a 同一の感染症や食中毒による、またはそれらが疑われる死亡者・重篤患者が1週間以内に2名以上発生した場合

b 同一の感染症や食中毒の患者、またはそれらが疑われる者が10名以上又は全ご入居者の半数以上発生した場合*

c 通常の発生動向を上回る感染症等の発生が疑われ、特に総支配人が報告を必要と認めた場合

*同一の感染症などによる患者等が、ある時点において、10名以上又は全お客様の半数以上発生した場合であって、最初の患者等が発生してからの累積の人数では ないことに注意する。

<報告する内容>

 a 感染症又は食中毒が疑われるお客様の人数

 b 感染症又は食中毒が疑われる症状

 c 上記のお客様への対応や介護施設における対応状況等

なお、医師が、感染症法、結核予防法又は食品衛生法の届出基準に該当する患者又はその疑いのある者を診断した場合には、これらの法律に基づき保健所等への届出を行う必要があるので、留意してください。

関係機関との連携

次のような関係機関に報告し対応を相談し指示を仰ぐ等、緊密に連携をとりましょう。

a 協力医療機関
b 保健所
c 地域の中核病院の感染管理担当の医師や看護師

そのほか、次のような情報提供も重要です。

d 職員への周知
eご家族への情報提供

集団発生の終息後説明会の開催、文書の送付など、対象者や内容に応じて適宜使い 分けながら速やかに行う。

※終息の判断としては、新たな症状が発生しなくなってから潜伏期間を見込んだ  一定期間で、概ね2週間程度を目安に保健所及び協力医療機関と相談の上決定する。

まとめ

感染症発生時には、フローを確認し、行政や保健所との連携が必要になります。特に新型コロナウイルスの対応については、速やかな対応が今後の感染拡大防止や感染者への対応には不可欠です。PCR検査の対応も、管理者や相談員、看護師等の限られた人員のみでなく、常勤、非常勤問わず、職員が手分けして行うことが今後の対応のためにも重要になります。日頃も職員と共にシュミレーションを行いながら、感染発生時にも慌てずに対応出来るように心がけて下さい。

CWS for Care
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