「介護施設を経営しているが、人材不足に悩んでいる」
「最近、特定技能外国人の採用を考え始めた」
「トラブルが心配。特定技能外国人を採用する時に気をつけるポイントを知りたい」
本記事は、このようにお悩みの介護施設の経営者・人事担当者の方に向けて執筆しました。人材不足が顕著な介護業界の救いの手として、最近注目されているのが「特定技能外国人」です。
注目されているからといって、ただ安易に外国人を受け入れても大丈夫なのかと不安な方もいらっしゃるでしょう。本記事では、特定技能外国人を採用する際のトラブルについて詳しくお伝えします。
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目次
外国人労働者のトラブルは多数報告されている
外国人労働者とのトラブルは、国内でも多数報告されています。事業者側が労働環境を整えていない、違反しているなどが主な理由です。外国人労働者を低賃金で働かせる、賃金を払わない、いじめやパワハラなどが報告されています。
介護業界では外国人採用のトラブルが非常に少ない
技能実習や特定技能など外国人の就労先はいくつかあり、さまざまな業種業界で外国人は働いています。業界全体で事業者を起因とするトラブルは多数報告されていますが、外国人が起因となる採用トラブルは少ないです。
介護の技能実習を例に挙げると、令和元年では3件、令和2年では7件と非常に少ない報告数となっています。
参照:外国人技能実習生の実習実施者に対する令和3年の監督指導、送検等の状況を公表します
外国人採用で起こりやすいトラブル
外国人採用では、具体的にどのようなトラブルが起こっているのでしょうか。ここでは、外国人採用時に起こりがちなトラブルを紹介します。
失踪
外国人労働者が、あらかじめ事業者側から聞いていた雇用条件と異なる賃金で働かされた結果、失踪してしまうケースです。外国人側の都合で失踪が起きる場合もありますが、事業者側が雇用条件を守らないことが原因となっていることも少なくありません。契約の際は、労働条件通知書により十分に労働条件や仕事の内容を説明する必要があります。
ストライキ
外国人労働者がグループとなり、ストライキを起こすケースです。失踪と同様に事業者側の不当な待遇が原因となっている場合が多く、外国人労働者側が「これよりも低い条件では働かない」と、会社への抗議としてストライキを起こします。ストライキの原因となり得るものとして、低賃金、残業代の未払い、長時間労働などがあげられます。
その他、人間関係や文化の違いなどによるトラブル
外国人と日本人など社内の従業員同士のトラブルや、住宅近隣での騒音トラブルなども起こっています。文化や言語の違いからコミュニケーションにすれ違いが起こって揉めたり、生活慣習の違いによって近隣と揉めてしまうなどのケースが考えられます。
特定技能介護人材を採用する際に気を付けたいポイント
特定技能で外国人を採用する際、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。特に意識したいポイントは以下の通りです。
送り出し機関のスクリーニング(審査)や学習内容を把握する
送り出し機関(外国人を日本に送り出す海外の団体)が、どのような条件でスクリーニングを行なっているのか確認しましょう。スクリーニングでは、学歴をはじめ、外国人自身が本当に日本の介護施設でしっかりと働けるか、本人がどの程度本気で仕事と向き合っているかを精査します。
学習内容についても、入国前にどの程度のプログラム(介護・日本語スキル)を受講してきたか、どのような講師のもとで学んできたかも確認しておきましょう。
熱意のある外国人に来てもらうためにも、送り出し機関がどの程度のスクリーニングを行っているか、事業者側も確認しておくことが大切です。
送り出し機関についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。
関連記事:送り出し機関とは?特定技能介護人材の採用を成功させるポイントも解説
お互いに契約や雇用内容を確認する
外国人が考えていた業務内容と、事業者側がやらせていた業務内容にギャップが生まれることで、失踪やストライキに発展するケースが少なくありません。そのため外国人と事業者側での契約のすり合わせが重要になります。
先述したように、労働条件通知書兼承諾書といった書類を交わすことはもちろん、外国人と事業者側がお互いにしっかりと内容をすり合わせることが大切です。
契約に準じた業務を任せる
実際に契約を交わした後は、契約書に記載された内容に準じた業務を任せてください。契約内容以上の労働や契約とまったく異なる業務を任せると、外国人側としても「何でこんなに不当な労働をしないといけないんだ」「そもそも契約と違う」と不満の原因になります。トラブルに発展させないためにも、しっかりと契約を交わし、契約内容を守りましょう。
面接時にしっかりとコミュニケーションを取る
実際に外国人を雇用する際の、面接時のコミュニケーションを意識しましょう。事前に書類で名前や経歴はわかりますが、「人となり」は実際に話してみないとわかりません。日本語能力だけでなく人柄やバックグラウンド、言葉づかい、他人に対する優しさや思いやりなどを可能な範囲で引き出しましょう。
外国人とのコミュニケーションについてはこちらの記事も参考にしてください。
関連記事:外国人介護士との円滑なコミュニケーション方法と指導する際のポイントを解説
きちんと契約を守って対応すればトラブルは起きない
お伝えしたように、外国人採用のトラブルは「雇用主」が原因である場合がほとんどです。雇用する側がしっかりと契約を守って、契約内容に準じた仕事を任せていれば、まずトラブルは起きません。外国人側も日本で仕事を頑張りたい、自分のキャリアを活かしてお金を稼ぎたいと高いモチベーションをもって、母国語の通じない日本にやってきます。
そうした熱意ある外国人に対して、事業者側も真摯な対応が必要です。外国人(特定技能人材)にとって信頼される施設になることを意識することで、お互いにより良い関係となり、長期雇用につながります。
【まとめ】トラブルが不安な場合は「顔合わせ」でコミュニケーションを図ろう
外国人労働者とのトラブルが不安な場合は採用前にオンラインなどで顔合わせをすることが有用です。きちんと会話することで、本人に対するイメージが変わることもあり、実際にそういった事例も多数あります。
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