特定技能の転職はハードルが高い?転職要件や必要手続きを解説

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特定技能の転職はハードルが高い?転職要件や必要手続きを解説

「自社で特定技能人材を雇用しているが、最近”転職したい”といわれた」
「特定技能人材は簡単に転職できる?手続きは難しくないのだろうか」
「今後、退職希望者が出てきた際の対応方法についても知っておきたい」

供給よりも需要が大きく上回っており慢性的な人材不足が続いている介護業界。そのような中で「特定技能外国人」を採用する企業も増えています。しかし、一度採用・雇用した特定技能外国人が「転職」できるのかどうかは、意外と知らない方が多いです。

本記事では、特定技能外国人の転職について徹底解説します。そもそも転職のハードルが高いのか、転職する場合に事業・施設側でするべき対応などについてお伝えします。


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特定技能の転職は制度上可能だが、制約が多く難しい

結論、特定技能の転職は制度上は可能です。しかし、制約が多いため転職する外国人は多くはありません。転職が難しい理由として、「在留資格変更許可申請」の手続きが必要となるためです。

手続きに手間がかかることはもちろん、許可申請中には外国人は働くことができません。また、もし前職を辞めてしまった場合、特定技能への在留資格変更許可申請中は、他社でアルバイトもできません。

在留資格変更許可申請は、どれくらいの期間がかかるのか明確にはわからず、出入国管理庁次第となっており、申請したタイミングで退職すると、申請が終わるまで数カ月無職の期間ができてしまうリスクがあります。

仮に転職先が数万円程度の給与がアップしていても、トータルで5年の滞在期間の中で、数カ月の無職期間をカバーできるほどではない可能性があり、外国人とって転職のハードルは高くなっているのです

加えて、引き抜きでの転職行為は認められていません。特定技能外国人がスカウトなどを受けて転職したことが発覚した場合、転職先の事業所や施設が除名処分を受けることになります。施設側は、自社を退職して転職したい外国人はもちろん、転職で新たな外国人を受け入れる場合にも注意が必要です。

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特定技能の転職に必要な手続き

特定技能外国人が転職する際、具体的にどのような手続きが必要なのでしょうか。ここでは事業所・施設目線での必要な手続きについて解説します。

旧事業所がするべき手続き

特定技能外国人の退職を受け入れる事業所は、本人の退職にあたって諸手続きを行わなければなりません。主に「1.特定技能所属機関による受入れ困難に係る届出」と「2.特定技能所属機関による特定技能雇用契約に係る届出」の2種類の書類です。この書類を、出入国在留管理庁電子届出システムまたは出入国在留管理局に提出する必要があります。

特定技能外国人の退職日が確定した時点で、1の書類を提出し、退職してから14日以内に2の書類を提出するのがスムーズです。

新事業所がするべき手続き

特定技能外国人の転職を受け入れる事業所にも、各種書類の提出が必要となります。

  • 雇用条件書
  • 支援計画書
  • 納税証明書
  • 健康保険・厚生年金保険料領収証
  • 役員の住民票など

上記の書類をもとに、新しい事業所が日本人と同等以上の給与を支払う予定なのか、きちんと社会保険料や税金を支払っているか、特定技能外国人を支援できる体制が整えているかなど、さまざまな観点から細かく審査を行います。外国人への母国語での対応など自社だけではカバーが難しい場合は、登録支援機関に委託することも可能です。

外国人がするべき手続き

特定技能外国人は、在留資格変更許可申請を行う必要があります。その際に必要な書類として、健康診断表や住民税の課税証明書、源泉徴収票などがあげられます。

このように、転職するだけで「旧事業所」「新事業所」「外国人本人」それぞれで手続きが必要となります。様々な手続きがあり手間がかかるため、転職元の事業所、転職先の事業所はあらかじめ確認しておきましょう。

特定技能に切り替えるタイミングで技能実習からでも転職は可能

前章では特定技能の転職についてお伝えしましたが、研修目的で訪日する「技能実習」でも転職は可能です。技能実習2号から特定技能に切り替えれば転職ができます。ただし、技能実習から特定技能へ移行する際は以下のような条件が必要です。

  • 技能実習2号を良好に修了
  • 技能実習での職種/作業内容と、特定技能1号の職種が一致

特定技能の在留資格を得るためには、日本語能力試験と技能試験への合格が必須です。しかし上記の「技能実習2号を良好に終了」「技能実習での職種/作業内容と、特定技能1号の職種が一致」を満たすことで、日本語能力試験が免除されます。

転職から実際の雇用までは時間がかかるので要注意

特定技能外国人が転職をする場合、先述のように「在留資格変更許可申請」が必要となります。いわゆる「ビザの切り替え申請」なので、申請にかかわる事前準備や審査に時間がかかり、申請が完了しないと外国人は働けません

場合によっては1ヶ月以上の期間を要することがあるので、事業者側は雇用開始時期の計画など十分な余裕をもっておく必要があるでしょう。

長く働いてもらえる環境を整備するのが理想

特定技能でも転職は可能ですが、提出書類が複雑だったり、無給期間ができる可能性があったりと、ハードルは相当高いといえます。

事業所としては、外国人が長く働きたいと思ってもらえるような環境整備が必要です。

まずは一度外国人人材とコミュニケーションをとり、外国人人材が日本に対してどのような気持ちをもってチャレンジしようとしているのか、日本に来るにあたっての不安ごとを把握し、外国人にとって働きやすい環境作りが重要になります。長く日本で働き、介護福祉士の取得まで目指している学習意欲の高いインドネシア人材のご紹介なら、ぜひスタッフプラスにご相談ください。

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