何事も介助の基本は声がけと観察をしながら行うことです。今回は「清拭介助の手順」についてご紹介いたします。事業所内で手順の確認を行い、適切な介護にご活用いただければ幸いです。
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目次
すべての身体介護に共通するポイント
身体介護には様々な種類がありますが、すべてに共通する重要なポイントがあります。利用者の自立を支援するために、以下のポイントを常に意識して介護に臨みましょう。
安全に
転倒などの危険を事前に予測し、安全な介護を提供しましょう。
快適に
利用者に精神的にも身体的にも心地良く、快適に過ごしてもらけることを常に考えましょう。どんなに早く、効率的に介護サービスを提供できたとしても、利用者に声がけをせずに、不快であってはサービス業としては失格です。
効率よく
利用者により満足してもらくために、どうすればもっと手際良く、効率的にサービスを提供できるかを常に考えましょう。利用者に快適なサービスを提供できたとしても、必要以上に時間や物品を使うのでは効率が悪く、利用者に様々な負担(経済的・精神的など)をかけてしまい、本当に満足してもらくことはできません。
自立を促す声かけを
自立を支援するためには、すべてを手伝えばよい訳ではありません。利用者のできないところはお手伝いし、できるところはご自分でしてもらえるような、時には、手は出さずに、見守る声かけをすることが大切です。
ここで気をつけなければならないのは、無理強いをしないことです。利用者自身が「自分でやってみよう」という前向きな気持ちになるような声かけを心がけましょう。
ボディメカニクスを実践
自立を支援するためには、利用者・介助者の双方がボディメカニクスを活用し、効果的な介護サービスを提供する必要があります。
そのためには、通所系サービスなどと連携し、リハビリテーションや機能訓練を活かした介助を行うようにしましょう。
関連リンク:腰痛を予防する!移乗・移動介助の基本マニュアル
準備と顔の清拭介助の手順
事前準備
使用物品 | 説明 | |
ア | ビニールシート・新聞紙 | 水の飛散防止のため、 使用物品の下に敷く |
イ | 温タオル | 顔用、体用 |
ウ | 乾タオル | 水分を拭き取る |
エ | 洗面器 | お湯を入れておく |
オ | ポット | 差し湯用 |
カ | お湯 | 洗面器・ ポットに入れておく(60℃) |
キ | ビニール手袋 | (必要な方のみ) |
- 物品を準備します。
- 部屋の室温の確認をします。
利用者の好みもありますが、基本的に22℃~24℃に設定します。
顔を拭く
- 襟元に乾タオルをつけます。パジャマが濡れるのを防ぐ効果があります。
- 自分の腕の内側で温タオルの温度を確認します。
- 利用者にも温度確認してもらいます。
- 初めに頬・顎の辺りに温タオルをあてて蒸します。その後、顔全体を蒸して、汚れを浮かせます。
- 基本的に、頬→目→おでこ→鼻→口周り の順番で面を変えながら拭きます。
- 温タオルで拭いた後は、乾タオルで水分を拭き取ります。
※脱健着患⇒服を脱ぐときは健康な側から、服を着るときは患部(マヒや痛みがあるほう)から着るという意味
<注意点>
- 拭く順番は、あくまでも基本です。利用者に確認をしながら拭きましょう。
- 目を拭くときには、感染症を予防するため特に注意をして面を必ず変えましょう。
- 首、耳の後ろも忘れずに拭きましょう。
身体の清拭介助の手順
布団からバスタオルに換えて、パジャマを脱いでもらう
- 利用者の現有能力を活かすために、ご自分でできる部分は行ってもらいます。マヒなどがある利用者は『脱健着患』に沿って介助を行います(このとき、羞恥心への配慮を忘れないようにしましょう)。
- 側臥位になったとき、シーツが汚れないようバスタオルを下に敷きます。
腕を拭く
- 末梢から中枢に向けて拭きます。
- 指の間・爪の脇、関節部・脇の下は、特に丁寧に拭く
胸を拭く
- 円を描くように、胸を拭きます。
- 女性は、胸の下も忘れずに拭きます。
腹部を拭く
『の』の字を描くように拭きます。
側臥位になり背部を拭く
背部は汚れやすいため、温タオルで十分蒸してから拭きます。
≪参考≫
より蒸す場合は、ビニールをかぶせたり、背中に敷いてあるバスタオルをかけたりすると効果が増します。
下肢を拭く
- バスタオルは片足ずつめくります。
- 指の間、足のうらを特に念入りに拭きます。
パジャマを着る
- パジャマは脱ぐときと同様「脱健着患」に沿って介助を行います。
- 利用者の身体状況を確認します。
利用者にとって快適なケアを
清拭の際は、尊厳の保持と自立支援を基本に、保温や羞恥心への配慮から手際よく清拭していくことと同時に、声かけや観察を行い、利用者にとって快適な清拭のケアを実践しましょう。
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