介護事業所に対して、さまざまな助成金や補助金、給付金が設けられています。いずれも国や自治体から事業所に対して支給される支援金ですが、補助金や助成金は企業を対象としているのに対し、給付金は個人も申請が可能です。なお、いずれも返済義務はありません。
本記事では、介護向けの助成金・補助金・給付金を一覧にまとめました。わかりやすいよう概要を簡単にまとめ、厚生労働省などの制度ページへのリンクも記載していますので、ブックマークをしてご活用ください。
※本記事は2024年2月15日時点の情報に基づいて作成しております。
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目次
介護向けの助成金・補助金・給付金制度一覧
介護向けの助成金・補助金・給付金制度について、以下に一覧でまとめました。なお、本記事はあくまで概要をまとめた内容ですので、各制度について詳しくは公式ページをご確認ください。
【介護事業所向け】介護職人材採用(雇用)と育成に利用できる助成金
制度名 | 概要 |
---|---|
業務改善助成金 | 生産性向上のために設備を導入するとともに、事業場内でもっとも低い賃金(事業場内最低賃金)の引き上げを実施した中小企業・小規模事業主を助成する |
働き方改革推進支援助成金 | 働き方改革に取り組む中小企業・小規模事業者などを助成する |
雇用調整助成金 | 経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図るため休業手当を要した費用を助成する |
キャリアアップ助成金 | 派遣労働者含む有期雇用労働者や、短時間労働者のキャリアアップ促進を目的とした助成金 |
両立支援等助成金 | 職業生活と家庭生活が両立できる“職場環境づくり”の促進を目的とした助成金 |
人材開発支援助成金 | 労働者に対して、専門的な知識や技能を習得させるための教育訓練を行った場合に利用できる助成金 |
トライアル雇用助成金 | 職業経験の不足などから就職が困難な求職者などの雇用のきっかけを増やすことを目的とした助成金 |
産業雇用安定助成金 (事業再構築支援コース) |
新型コロナウイルス感染症の影響によって事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主に対して、新たな事業展開に必要な人材の雇用の支援を目的とした助成金 |
労働移動支援助成金 | 直近離職した対象者を支援した事業主に対して助成 |
中途採用等支援助成金 | 中途採用、UIJターンの採用拡大を図る事業者へ助成 |
人材確保等支援助成金 | 雇用創出を図ることにより、人材の確保・定着を目的とした助成金 |
特定求職者雇用開発助成金 | 高年齢者や障がい者などの就職困難者を継続的に労働者として雇い入れる事業主に対して助成 |
65歳超雇用推進助成金 | 意欲ある高齢者が働けるよう、定年の引き上げや高齢者向けの雇用管理制度の整備を行った事業主に対して助成 |
地域雇用開発助成金 (地域雇用開発コース) |
雇用機会が特に不足している地域において、事業所の設置・整備を行い、その地域に居住する求職者を雇用した事業主に対して助成 |
【介護事業所向け】介護機器の導入やデジタル化に利用できる助成金・補助金
制度名 | 概要 |
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介護ロボット導入活用支援事業補助金 | 介護ロボットの使用による介護従事者の負担の軽減を図るとともに、介護ロボットの普及による働きやすい職場環境の整備を図り、介護従事者の確保に資することを目的とした補助金 |
ICT導入支援事業補助金 | 介護事業所などにおける介護ソフト、タブレット端末などの導入支援を行うことにより、介護記録・情報提供・報酬請求などの業務の効率化を図り、介護従事者の負担軽減による雇用環境の改善、離職防止および定着促進に資することを目的とした補助金 |
IT導入補助金 | 業務改善やシフト・勤怠管理、給与管理など、運営や業務において必要なITツールの導入をサポートするための補助金 |
人材確保等支援助成金 | 雇用創出を図ることにより、人材の確保・定着を目的とした助成金。介護福祉機器の設置・整備に対して助成されるコースあり。 |
【介護事業所向け】開業・立ち上げや事業継続に使える助成金・補助金
制度名 | 概要 |
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小規模事業者持続化補助金<一般形> | 小規模事業主および一定要件を満たす特定非営利活動法人が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更に対応するため、小規模事業主などが取り組む販路開拓などの取組の経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業主などの生産性向上と持続的発展を図ることを目的とした補助金 |
創業助成事業 | 創業予定者または創業から間もない中小企業者に対して、創業期に必要な経費の一部を助成することで東京都における創業のモデルケースを創出し、新たな雇用を生み出すなど東京の産業活力の向上が目的となっている助成金 |
事業再構築補助金 | 新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、需要や売上の回復が期待しにくいなかで、経済社会の変化に対応するために新しい分野の展開、業態転換、業種転換などによって規模の拡大、事業再構築を目指す中小企業などの挑戦を支援する目的の補助金 |
事業継承・新規開業支援補助金 | 主に小規模事業主の事業継続や、新規開業によって地域の活性化や雇用機会の拡大が目的の補助金 |
【個人向け】在宅介護や介護費用の負担軽減で使える給付金
制度名 | 概要 |
---|---|
介護休業給付金 | 家族の介護を目的として休業した場合に受け取ることができる給付金 |
家族介護慰労金 | 介護サービスを利用せず、要介護4・5の要介護者を在宅で介護する家族などに対して支給される慰労金 |
居宅介護住宅改修費制度 | 住み慣れた自宅でも要介護者が安全に暮らせるよう住宅改修を行った場合、その費用について一部補助を受けられる制度 |
高額医療・高額介護合算制度 | 1年間の医療保険と介護保険負担額が高額な場合に、自己負担を軽減する制度 |
高額介護サービス費制度 | 1ヶ月間で支払った利用者負担の合計が負担限度額を超えた場合、その超過分が払い戻される制度 |
福祉用具購入費制度 | 要介護者・要支援者が利用する福祉用具を購入した場合、介護給付分の金額が支給される制度 |
【介護事業所向け】介護職人材採用(雇用)と育成に利用できる助成金
業務改善助成金
中小企業・小規模事業主が行う業務改善や生産性向上のための取り組みを支援するための助成金です。生産性向上のために設備を導入するとともに、事業場内でもっとも低い賃金(事業場内最低賃金)を一定額引き上げた場合に受給対象となります。
補助の対象となるのは、生産性向上を目的として導入した設備投資の費用です。「事業場内の最低賃金額・そこから引き上げた額・対象者数」などで算出された金額が補助されます。
働き方改革推進支援助成金
中小企業・小規模事業者などを対象に、時間外労働の削減や年次有給休暇の取得促進など、働き方改革に取り組む際に必要な費用の一部を補うための助成金です。病気休暇や時間単位の休暇など、特別休暇制度の新設、また、労務・労働時間の適正化に向けた環境整備など、職場環境の改善に取り組んだ場合に支給される助成金です。
取り組みに応じて5つのコースに分けられ、それぞれ助成対象や補助金額、申請期日が異なります。
- 働き方改革推進支援助成金(適用猶予業種等対応コース)
- 働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
- 働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)
- 働き方改革推進支援助成金(労働時間適正管理推進コース)
- 働き方改革推進支援助成金(団体推進コース)
雇用調整助成金
経済上の理由で事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用維持を図るため一時的な雇用調整を実施し、雇用維持のために要した費用を助成する制度です。補助金額は中小企業が2/3、それ以外は1/2で、1人1日あたり8,490円が上限となります。
過去には新型コロナウイルス感染症、現在は令和6年能登半島地震の影響を受けた事業者へ特例措置も設けていました。
キャリアアップ助成金
派遣労働者含む有期雇用労働者や、短時間労働者のキャリアアップ促進を図る企業に対して支給される助成金です。コースが6つに分かれており、コースによって助成対象や補助金額、申請期日などが異なります。
- キャリアアップ助成金(正社員化コース)
- キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)
- キャリアアップ助成金(賃金規定等共通化コース)
- キャリアアップ助成金(賞与・退職金制度導入コース)
- キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長コース)
- キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)
たとえば正社員化コースでは、有期雇用労働者を正社員へ登用した場合などに受給対象となり、対象労働者1人あたり、中小企業で40万円、大企業で30万円支給されます。
両立支援等助成金
育児休暇を取りやすいような環境整備や、仕事と育児や介護を両立できるよう支援を行う事業主を助成する制度です。4つのコースに分けられており、2024年度からは「育休中等業務代替支援コース」が新設されます。
- 出生時両立支援コース
- 介護離職防止支援コース
- 育児休業等支援コース
- 不妊治療両立支援コース
各コースによって助成対象や補助金額が異なりますが、適用されると20~30万円程度支給されます。
人材開発支援助成金
職員に対して、専門的な知識や技能を習得させるための教育訓練を行った場合に利用できる助成金制度です。社内でのOJT付き訓練や外部研修の利用、eラーニングを用いた学習などの活動が受給対象となり、4つのコースに分けられています。
- 人材育成支援コース
- 教育訓練休暇等付与コース
- 人への投資促進コース
- 事業展開等リスキリング支援コース
適用されると研修にかかった費用の一部などが支給対象となります。
トライアル雇用助成金
雇用を検討している求職者に対して、一定の試用期間を設け、能力や適性を確認したうえで正式な雇用契約を結ぶことを支援するための助成金です。
3つのコースがあり、離職期間が長い人や母子家庭の母、父子家庭の父、障害者などの就職困難者を、ハローワークなどから紹介を受けて雇用する場合に利用できます。「介護職として働いたことがない方を介護現場で試験的に雇う」といったケースでも活用できます。
- 一般トライアルコース
- 障害者トライアルコース
- 障害者短時間トライアルコース
トライアル雇用期間中は雇用者に対して給与を支払う必要がありますが、この給与の一部が助成金として支給されます。たとえば一般トライアルコースの場合、支給対象者1人につき月額4万円が最長3ヶ月間支給されます。
参考:トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)|厚生労働省
障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース|厚生労働省
産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)
新型コロナウイルス感染症の影響によって事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主に対して、新たな事業展開に必要な人材の雇用を支援する制度です。
支給条件には、「事業再構築補助金」の交付決定を受けた事業の業務に就業する労働者が対象で、年間350万円以上の賃金を支払うことかつ、専門的な知識や技術が必要となる業務もしくは部下を指揮および監督する業務に就かせる必要があります。
中小企業であれば1人あたり280万円、それ以外であれば200万円が支給されます。助成対象期間は1年間で、1事業主あたり5人までが支給対象となります。
参考:産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)|厚生労働省
労働移動支援助成金
直近離職した対象者を無期雇用で雇い入れたり、事業規模の縮小などで離職を余儀なくされた労働者の再就職支援を職業紹介事業者に委託したりした事業主に対して助成されるもので、2つのコースがあります。
- 労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)
- 労働移動支援助成金(再就職支援コース)
早期雇入れ支援コースでは、条件を満たす対象者を雇い入れた場合に1人につき30~40万円程度が支給されます。再就職支援コースでは、対象者の再就職を実現させた場合に、60万円を上限として支給されます。
参考:労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)|厚生労働省
労働移動支援助成金(再就職支援コース)|厚生労働省
中途採用等支援助成金
中途採用者の雇用管理制度を整備して中途採用の拡大を図ったり、東京圏からUIJターンで移住する人材を雇用したりした事業主へ支給される助成金で、2つのコースに分かれています。
- 中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)
- 中途採用等支援助成金(UIJターンコース)
採用拡大コースにおいては中途採用計画を立て提出し実際に雇い入れるなどを行うことで1事業所あたり50万円(45歳以上の採用拡大は100万円)助成されます。UIJターンコースは、移住者などの採用が対象で、100万円を上限に補助金が支払われます。
参考:中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)|厚生労働省
中途採用等支援助成金(UIJターンコース)|厚生労働省
人材確保等支援助成金
魅力ある雇用創出を図ることにより、人材の確保・定着を目的とした助成金です。7つのコースに分けられ、雇用管理制度や介護福祉機器の導入、外国人労働者に配慮した就労環境の整備などによる、人材の定着率低下に取り組んだ事業主が対象となります。
- 介護福祉機器助成コース
- 中小企業団体助成コース
- 建設キャリアアップシステム等普及促進コース
- 若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)
- 作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)
- 外国人労働者就労環境整備助成コース
- テレワークコース
条件を満たす経費の一部が補助されるほか、定めた目標を達成した場合は追加で助成金が支給されます。
参考:人材確保等支援助成金のご案内|厚生労働省
特定求職者雇用開発助成金
就職困難者を継続的に労働者として雇い入れる、またその労働者を成長分野の事業に従事させるなどを行った事業主を支援する助成金です。5つのコースがあり、対象となる労働者には高齢者や障がい者、難病疾患者、就職氷河期に正規雇用の機会を逃した方などが含まれます。
- 特定就職困難者コース
- 発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース
- 就職氷河期世代安定雇用実現コース
- 生活保護受給者等雇用開発コース
- 成長分野等人材確保・育成コース
支給額や助成対象期間はコースや対象労働者によって異なりますが、たとえば特定就職困難者コースの場合、中小企業であれば対象労働者1人あたり1年で40~80万円程度支給されます。また、この助成金はトライアル雇用助成金との併用も可能です。
参考:特定就職困難者コース|厚生労働省
発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース|厚生労働省
就職氷河期世代安定雇用実現コース|厚生労働省
生活保護受給者等雇用開発コース|厚生労働省
成長分野等人材確保・育成コース|厚生労働省
65歳超雇用推進助成金
定年の引き上げや高齢者向けの雇用管理制度の整備を行った事業主に対して支給される助成金です。3つのコースに分かれており、意欲と能力のある高齢者が年齢に関わりなく働ける、生涯現役社会の実現を目的としています。
- 65歳超継続雇用促進コース
- 高年齢者評価制度等雇用管理改善コース
- 高年齢者無期雇用転換コース
65歳超継続雇用促進コースでは、引き上げ幅や人数に応じて15~160万円程度の補助金が支給され、高年齢者評価制度等雇用管理改善コースでは、50万円を上限として中小企業であれば支給対象経費の60%が支給されます。さらに、高年齢者無期雇用転換コースでは、中小企業であれば対象労働者1人あたり48万円が支給されます。
地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)
雇用機会が特に不足している地域において、事業所の設置・整備を行い、その地域に居住する求職者を雇用した事業主に対して支給される助成金です。地域産業の振興や新規事業の立ち上げ、地域資源を活用した事業展開、地域の特性を生かした観光事業の推進など、地域の雇用創出に直結するさまざまな取り組みが対象となります。
この助成金は、事業所の設置・整備費用と増加した対象労働者の数に応じて、50~800万円を1年ごとに最大3回支給されます。
【介護事業所向け】介護機器の導入やデジタル化に利用できる助成金・補助金
介護ロボット導入支援事業補助金制度
移乗介護や移動支援、排泄支援、入浴支援などの指定された場面において使用される介護ロボットを導入した場合に支給される補助金です。自治体ごとに補助上限金額が違っています。介護従事者の負担軽減や働きやすい職場環境の整備、そして介護従事者の確保を目的とした制度です。
令和6年からは、「介護テクノロジー導入支援事業」としてICT導入支援事業と統合された補助金事業としている都道府県もあります。
参考:介護ロボットの開発・普及の促進|厚生労働省
千葉県介護サービス事業所ICT導入支援事業費補助金の募集について|千葉県
ICT導入支援事業補助金
介護施設で導入される介護ソフトや情報端末、通信環境機器、あるいはICT関係の運用経費を対象とした補助金事業です。事業規模により100〜260万円が上限で、実際にかかった費用と比較して支給されます。
令和6年からは、「介護テクノロジー導入支援事業」としてロボット導入支援事業と統合された補助金事業としている都道府県もあります。
IT導入補助金
業務改善やシフト・勤怠管理、給与管理など、運営や業務において必要なITツールを導入する際の費用を助成する制度です。補助率や補助額は対象によって異なり、例えばタブレット端末の導入なら「10万円×人数」が補助され(補助率は1/2)、上限は補助額は3,000万円です。
参考:IT導入補助金2024
IT導入補助金とは|経済産業省
人材確保等支援助成金
魅力ある雇用創出を図ることにより、人材の確保・定着を目的とした助成金です。6つのコースがあり、雇用管理制度や介護福祉機器の導入、人事評価制度や外国人労働者に配慮した就労環境の整備などによる、人材の定着率低下に取り組んだ事業主が対象となります。
- 雇用管理制度助成コース
- 介護福祉機器助成コース
- 中小企業団体助成コース
- 人事評価改善等助成コース
- 外国人労働者就労環境整備助成コース
- テレワークコース
たとえば介護福祉機器助成コースでは、介護福祉機器を導入したことにより、離職率を減少させることができれば、上限150万円で費用の20%(賃金要件を満たせば35%)が支払われます。
【介護事業所向け】開業・立ち上げや事業継続に使える助成金・補助金
小規模事業者持続化補助金
小規模事業主などが、今後の制度変更に対応するために行う販路開拓などの取り組みについて、経費の一部を補助する制度です。例えば機械装置設置や広報、専門家への謝礼、委託費などが対象に含まれます。
枠が5つに分かれておりますが、申請できるのはいずれか1つです。補助金額は枠によって変わり、50~200万円です。要件は、例えば賃金引上げ枠なら事業場内最低賃金を上げるなどの条件をクリアする必要があります。
創業助成事業
東京都での創業を具体的に計画している個人、または創業後5年未満の中小企業を対象に、創業時にかかる賃借料や広告費、人件費、器具備品購入費などの費用を助成する事業です。
補助金額は100万円〜400万円で、申請には事業継承や譲渡でないこと、納税の滞納がないことなどをはじめ複数の要件を満たす必要があります。なお、令和6年の申請期間は4月9日〜4月18日です。
事業再構築補助金
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化したことを受け、変化に対応するための新事業の展開や業態・業種転換など、挑戦を試みる企業を支援する補助金です。なお、補助対象となるのは、建物費やシステム構築費、外注費、広告宣伝・販促費などの経費です。
事業継承・新規開業支援補助金
全国ではありませんが、小規模事業主の事業継続や、新規開業によって地域の活性化や雇用機会の拡大を目的とした補助金を制定している地域もあります。実際の制度例として北海道上川町は、土地・建物・設備の建設費、店舗や駐車場などの賃借料、技術取得・研修費などを助成したり、事業承継奨励金を交付したりなど多様な制度を設けています。
【個人向け】在宅介護や介護費用の負担軽減で使える給付金
介護休業給付金
家族の介護を目的として休業した場合に受け取ることができる給付金です。なお、支給が受けられるのは介護を受ける家族とその要介護度につき1回のみ(最長3ヶ月)とされ、支給額は「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」で算出されます。
ちなみに、介護を受ける家族が同じでも、要介護度が変わり再度介護休業をした場合は給付金受給の対象となります。事業主が支給申請書などを事業所所在地を管轄するハローワークへ提出し、承認を受けることで支給されます。
参考:介護休業給付の内容及び支給申請手続について|厚生労働省
家族介護慰労金
介護サービスを利用せずに、在宅で介護を行った家族に対して年額10万円が支給されます。なお、要介護度や、その期間、地域や同居の有無などの各要件に当てはまる方が対象です。
支給申請書を自治体へ提出し、承認されたのち指定の口座へ慰労金が振り込まれます。
参考:家族介護慰労金|大阪市
居宅介護住宅改修費制度
要介護者などが住宅改修を行う際、改修費用の9割相当額(上限あり)が支給されます。制度を利用するには、見積もりなどの必要書類を添えて申請し、工事完成後にも費用がわかる書類(領収書など)を提出します。
参考:介護保険における住宅改修|厚生労働省
高額医療・高額介護合算制度
1年間の医療保険と介護保険の負担額が高額な場合、その負担を軽減する制度です。自己負担の限度額は所得区分と年齢により変わり、19~212万円の幅があります。
各自治体の申請手順に従って申請してください。自治体によっては、対象者へ申請を促すお知らせを送付しているケースもあります。
高額介護サービス費制度
利用した介護サービスの利用者負担額が高額な場合、その負担を軽減する制度です。支給額については、所得などに応じて変わります。
参考:介護休業給付の内容及び支給申請手続について|厚生労働省
福祉用具購入費制度
要介護者・要支援者が利用する、腰かけ便座などの福祉用具を購入する際にかかる費用の7〜9割(上限10万円)が支給される制度です。
申請の際は福祉用具購入時の領収書や用具の概要が記載されたパンフレットなど、の書類が必要です。
助成金・補助金・給付金制度を活用しましょう
介護事業所が受け取れる助成金や補助金、そして個人で介護をしている方が受け取れる給付金がいくつもあります。こうした制度を利用することで、事業の拡大や業務効率化を実現できたり、個人であれば自己負担を軽減したりすることが可能です。
それぞれ対象や申請要件などがありますので、本記事を参考に利用できる制度がないか確認してみてください。