生活相談員を辞めたい!勢いで辞めて後悔しないために考えること

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生活相談員を辞めたい!勢いで辞めて後悔しないために考えること

介護施設で生活相談員の仕事をしている方の悩みに「利用者さんやそのご家族、施設の介護職や医療職など、さまざまな立場の人の間で板挟みになることが多い」というものがあります。ストレスをため込んでしまい「生活相談員を辞めたい!」と悩んでいる方もたくさんいるのが現実です。そんな生活相談員のみなさんは、どのようにストレスや悩みと向き合っているのでしょうか。今回は、苦労の多い生活相談員を勢いで辞めて後悔しないためにまず考えてほしいことについてお話します。

生活相談員を辞めたいと思うよくある理由

さまざまな人の間に立って調整するためストレスが大きい

生活相談員は、利用者さんやご家族、ケアマネジャー、介護士、看護師、施設の運営者、さらには行政機関など、一般の介護職と比べると関係先が多岐にわたります。こういった多くの関係先からの声や意見を聞き、全員の意見を合わせる調整の矢面に立つことになるので、神経をすり減らし、あまりのストレスから「生活相談員を辞めたい」と考え、退職を選ぶ生活相談員も少なくありません。

仕事量が多くきつい

生活相談員を辞めたいと思う理由に、仕事量の多さがあげられることがあります。施設利用者との面談をはじめ、入所や退所などの契約やさまざまな手続き、判定会議への出席、ケアプラン作成のサポート、施設の利用者さんからの相談やクレームへの対応、行政からの通知や会議への参加など、幅広い仕事と支援をしているのが現状です。これらをこなし続けられるのか不安になる方も多くいます。また、介護職との兼務というケースも少なくないので、そうなると体力的負担も重なり、なおさらきつくなってしまいます。

業務内容の割に給与が見合わないと感じる

業務内容の大変さに給与が見合っていないと感じ「辞めたい」と考える方もいます。
厚生労働省がまとめた平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果によると、生活相談員の平均給与額等(月給の者)は321,080円です。業務内容と給与額のバランスがとれているのかを一概に判断することはできませんが、生活相談員は責任のある仕事であることは確かで、もう少し給与を上げてほしいと感じている方が多いようです。

生活相談員を辞めたいと思ったら、最初に考えること

上記のような理由から、「辞めたい!!」と強く思ってしまうことは仕方のないことでしょう。しかし、気持ちにまかせて勢いで辞めてしまい、後悔をしてしまう方も多いようです。後悔しないためには、一呼吸おいて、高まった気持ちをクールダウンさせることが大切です。生活相談員のメリットについて紹介しますので、冷静に考えるための参考にしてみてください。

体にかかる負担が少ない

生活相談員は介護職との兼務でなければ夜勤なしで働くことが可能です。そのため、日中の勤務が基本で、生活のリズムを整えやすいというメリットがあります。また、現場での介護業務も不要で、体力に自信がない方でも働きやすい環境といえます。

利用者さんへの介護の根幹に関われるやりがいのある仕事

生活相談員の仕事は「辞めたい」と感じることがあるほどハードな面がある一方で、利用者さんへ質の高い介護サービスを提供するために欠かすことのできない職種です。自分の能力次第で、利用者さんやそのご家族に高い満足を感じてもらうことができるやりがいのある仕事と言えるでしょう。

たくさんの人に感謝される

上記でも紹介しましたが、生活相談員はたくさんの人と関わりながら意見の調整をすることから、必要な労力はとても大きなものです。しかし、労力が大きい分だけ利用者さんやそのご家族をはじめ多くの人から「ありがとう」と感謝される機会も多く、人の役に立っていることを実感しやすい仕事でもあります。

給与の面で介護職より有利

平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果を見ると、介護職の平均給与額(月給の者)は300,970円となっており、生活相談員の給与の方が約2万円高いという結果が出ています。
※生活相談員の平均給与額は321,080円

それでも辞めたいと思ったときの4つの選択肢

生活相談員とは別の道へ進む

社会福祉士の資格をもっていれば、障害者向けの事業所や地域包括支援センターなど、活躍できる場所は介護施設だけにとどまりません。また、同じマネジメント系の職種であるケアマネジャーを目指してみるのもひとつです。

介護業界を離れ別の職へ転職するとしても、生活相談員の業務で身につけた接客能力、コミュニケーション能力などは営業職や接客業などで活かせるのではないでしょうか。事務処理の能力を活かすのであれば、事務職や総務などの業種を考えることもできます。

生活相談員を辞めて施設の介護士として働く

現場の介護職に戻り、マネジメントや調整役の仕事ではなく介護職員として介護現場での専門性を極めるのもひとつの選択肢です。

日勤で働きたいのであれば通所系のサービス事業所がよいでしょう。夜勤もできるという方であれば、夜勤手当がつき給与アップが期待できる特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの入所系施設がおすすめです。また、国は介護職員の処遇改善策を進めているので、将来的にはより待遇がよくなる可能性があります。

体制の整ったほかの職場を探す

高齢者福祉施設の求人は多くあり、生活相談員としての経験もあるとなれば、転職先を見つけることは難しいことではないでしょう。生活相談員として働きたいけれど、今の職場では難しいという場合には、ほかの施設にも目を向けてみましょう。勤務体制や給与、待遇面などで有利な職場が見つかるかもしれません。ほかの職場を探す際には、忘れずに、給与の条件や福利厚生、施設の環境、人間関係をチェックしておいてください。

今の職場で改善策を相談する

辞めるという選択肢だけではなく、上司や施設長などの管理職に改善策がないのか相談をすることや、働きやすい環境をつくることを目指すのもひとつの方法です。上司などは、生活相談員として苦労しているあなたの仕事の流れなどを理解して、対応策のアドバイスをもらえるかもしれません。また、自身のコミュニケーション能力やクレーム対応のスキル不足であれば、本やネットで勉強をすることで環境を改善することができる可能性もあるのではないでしょうか。

転職を決意した場合に成功させる方法

次の職場を見つけてから今の会社を辞める

転職先を決めずに辞めてしまうと、収入源がないことやうまく希望する職場が見つけられないといったことから精神的に余裕がなくなり、条件を妥協することにつながりかねません。勢いだけで辞めるのは避け、退職前に転職先を決めておくことが大切です。

自分が一番大切にしたいものは何か、優先順位をつける

転職する目的を明確にし、優先順位をつけましょう。 目的とは、業務内容や人間関係、業務指導、給与などのことです。 何のために転職をするのか、そのなかでも優先すべきはどこにあるのかを明確にすることで、転職後のミスマッチを防ぐことができるでしょう。

事前にしっかり調べる・確認する

転職を考えるのであれば、事前に以下のようなポイントをおさえた下調べをするようにしましょう。

  • 経営環境が厳しくないか。
  • 会社に収益力はあるのか。
  • 将来性はあるのか。
  • 就業の環境はどうか。
  • 人材を大切にしているのか。

介護職以外ならこれまでの経験が活かせる仕事を探す

介護の業界で自身が身につけてきた高齢者に関する知識やコミュニケーションのスキルなどをしっかりと把握して、それを活かせる仕事を探すのも良いでしょう。専門的な仕事であれば採用する会社も詳しい人材を求めているので、うまくマッチして意外と早く転職が決まることもあるようです。

まとめ

生活相談員はそのハードな業務内容から「辞めたい」と感じることは仕方のないことで、同じように悩んでいる方がたくさんいます。一方で、とてもやりがいのある仕事であることも確かです。どのような選択をするにしても、大切なのは後悔のないように勢いだけで決めずに冷静にしっかりと考えて選択をすることと言えるでしょう。