介護事業所における介護者へのストレスマネジメントの対応策

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介護事業所における介護者へのストレスマネジメントの対応策

令和3年介護報酬では適切なハラスメント防止対策に関して事業者の方針等を明確にすることや、相談に対応するための必要な体制の整備が求められています。

三菱総合研究所が2019年に発表した「介護現場におけるハラスメント対策マニュアル」によると、介護老人福祉施設では71%の介護職員がハラスメントを受けたことがあると回答しました。

そして定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、37%もの職員がハラスメントを受けて仕事を辞めたいと思ったことがあると回答しています。

ハラスメントは放置をすると、ストレスが増すことになり、心身の疾患にもつながります。曖昧にせずに、速やかにご対応されて下さい。

今回は、介護事業所における介護者へのストレスマネジメントの対応策をご紹介します。皆さんの施設・事業所の運営改善にご活用頂ければ幸いです。


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「職場」の「場」を知ろう

介護労働安定センターの調査結果の項目にある、離職の理由には、毎年上位に「職場の人間関係」が上がります。

しかしながら社会人経験が乏しい、又はきちんと前職で教えられていないと本来の「職場」は、職員にとってどのよう「場」であるか理解されておらず、ストレスから不満を口に出すようになりますので、下記の「場」であることを互い共通認識を持ちましょう。

  • 就労し賃金を受け取り、生活の糧を得る「場」
  • 社会とつながりを持ち社会に貢献する「場」
  • 事業、組織の質を高める「場」
  • 自分自身を高め成長し、認め合う「場」
  • 様々な人間関係がある「場」
  • 様々な立場で様々な裁量、負担がある「場」
  • 身体的、精神的ストレスを感じる「場」
  • 介護理念の具体化を目指し協働する「場」
  • 利用者の生活の「場」

職場環境の7つの領域とは

職場環境の7つの領域を踏まえ、どのように適切に対応するかもストレスマネジメントには必要です。

○職場環境の7つの領域
 人間関係   人材育成   仕事の裁量性   処遇   社会との繋がり   福利厚生   労働負荷

○職場環境のストレッサー

  • 組織構造や風土・・・業務の進め方、業務改善の取り組みの程度の違い(非効率的な組織運営等)
  • 職員・・・ルーチン化されているほうが対応しやすい人やそうでない人、業務改善が柔軟に進められているスピードについて行けない人
  • 業務伝達の程度・・・報(報告)・連(連絡)・相(相談)が円滑になされていないと対人関係や業務遂行に支障を来たす恐れもある。
    ・・・ストレサーから離れ関係しない事が解決方法の1つだが、退職するとその影響がその他の職員に及び、しいてはケアの質の低下を招く恐れがある・・・職場のメンタルヘルスが必要となる

○キャリア形成・人材育成

教育・訓練、キャリア形成、自己啓発、組織風土などの領域
人材の成長は企業の成長を支え、企業の成長が人材の成長機会を拡大する
職員も自らのキャリアのあり方に関心を持ち、自分を活かし成長させる事ができる組織を求める傾向がある

○処遇・・・

賃金に代表される労働条件、雇用保障などの領域
経営状況をふまえた上での、賃金などに関する事や待遇などの満足度や納得度が、意欲につながる

○社会とのつながり・・・

仕事の社会性、組織の社会性などの領域
企業は社会の一員、あるいは社会の公器として大きな役割を担っている存在である

企業組織に所属する一人ひとりの職員も、自らの仕事を通じて社会に貢献する事を望み、その有無が満足感や充実感に影響を与えている

厚生労働省/中央労働災害防止協会ホームページより

職場内の人間関係とは?

人間関係は、職場における第1のストレッサーとしてあげられます。
どのように職員の人間関係の構築の支援をするか知り、対応することが、ストレスマネジメントの要になります

  • 仕事上の支援、協調、職場の雰囲気などの領域
  • 組織内の縦横の人間関係は、働き易さを左右する重要な要素
  • 上司や同僚、部下との関係、利用者やその家族との関係、外部機関職員との関係など
  • 能力の発揮と成長、質の向上、組織への帰属意識の醸成などに大きな影響を与える
  • 良好な互いに支援協力する関係、個々の職員が尊重される事により働きやすい快適な職場が形成される

厚生労働省/中央労働災害防止協会ホームページより一部抜粋

仕事の裁量性とは

名ばかりの管理者である、非常勤職員で正職員との会議の出席も許されずに、OJTの担当者になっているというお声も研修などで聞かれます。仕事の任せ方を誤ると、「責任だけを負わされて」とこれもストレスになります

  • 仕事の任せ方、権限委譲のあり方に基づく職員の裁量性の領域
  • 職員のワークモチベーション(意欲)を高め、独自性、創造性を発揮できる仕事の任せ方、裁量の与え方ができている環境かどうか
  • 一定の裁量と責任が付与され、自らの独自性や創造性を発揮する事で、新たな価値を生み出すような仕事ができれば、大いにやりがいや満足が得られる

厚生労働省/中央労働災害防止協会ホームページより一部抜粋

休暇・福利厚生

「働き方改革」を求められる中、人材不足の介護業界でも、ストレスマネジメントにおいて「ワークライフバランス」を重要視しなければいけません

  • 休暇、労働時間、仕事と家庭の分離などの領域
  • 休暇制度とメンタルヘルス体制
  • 職員のストレスの高まりから、メンタル疾患発症者の増加の傾向にある

厚生労働省/中央労働災害防止協会ホームページより一部抜粋

労働負荷

業務内容や建物構造などもストレッサーも成り得ます。
例えば、介護者の体調(心身共に)が良い時は苦痛に感じない移乗介助も、介護者の体調不良時は辛いものになる。介護者自身、近親者との死別を体験したばかりの時に利用者の死に直面すると、悲しみの感情が違った辛さを伴ったものになる場合もあります。

  • 過剰、不足の労働、仕事の量と質、身体的心理的疲れなどの領域
  • 疲労やストレスと密接な関係があり、疲労やストレスが蓄積していくと、仕事上でのミスや質の低下を招く事になる

厚生労働省/中央労働災害防止協会ホームページより一部抜粋

職場にあるストレス

職場にあるストレスは下記のような内容です。

  • 突然の事態に応じる・制限や期限が課せられる・ただ指示されて・周囲の環境への苛立ち
  • 自分への苛立ち・解しがたい言動への歯がゆさ・認められたい。認められない・周囲から理解されない思い
  • 一人の人間としての存在・ チームメンバーとして存在

これらを踏まえ、マイナス的な部分をどう考え方でプラス的に感じられるかもストレスマネジメントには必要です。

  • プラス的
    感謝、喜び、満足感、充実感、達成感、仲間意識、存在感、所属感、目標、経験、成長・・・
  • マイナス的
    不満、イライラ、疎外感、負担感、身体的苦痛比較、虚無感、喪失感、怒り、憂うつ、不安・・・

職場の人間関係の要素を知ろう

皆さんの職場には下記のような人間関係の要素があります。

  • 相談:心配事や悩み事を聞いてくれる人の存在
  • 評価:能力や努力をきちんと評価してくれる人の存在
  • 期待:期待してくれる人の存在 必要としてくれる人存在

しかしながらストレスマネジメントにおいては、
○相談・・・相談を受け応えるには、関係性や余裕が必要です
○評価・・・能力や努力を高く評価するには、中立的に全ての職員を知り、的確な判断が必要です。
○期待・・・相手に「期待している」というメッセージを伝える事は、心の持ち方、あなたのあり方一つでできる
   ・・・そして、あなたの心が動けば相手の心が動く・・・大きすぎても少なすぎても×です。
このような対応も必要になります。

あなたは自分に何を「期待」していますか?
そして良好な人間関係は職場のストレス軽減につながりますので、互いにストレスが少しでも軽減できる職場作りを目指して頂きたいです。

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