【2024年最新版】通所介護の人員配置基準とは?計算式や必要な資格を解説

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【2024年最新版】通所介護の人員配置基準とは?計算式や必要な資格を解説

通所介護(デイサービス)の運営には、単位ごとの看護職員や、利用定員数に応じた介護職員の配置が必要です。人員配置基準を満たさない場合、人員基準違反となり、場合によっては指定取り消しなどの行政処分が下されるケースがあるため、注意しましょう。

この記事では通所介護の人員配置基準のルールや、計算式について詳しく解説します。看護職員の人員配置基準が緩和される条件など、最新の情報もまとめました。


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通所介護(デイサービス)の人員配置基準

通所介護(デイサービス)を運営するには、管理者・看護職員・介護職員・生活相談員・機能訓練指導員の人材が必要です。それぞれの人員配置基準について詳しく解説します。

管理者

管理者は、通所介護の運営に関わる管理全般を担う事業所の責任者です。具体的には利用者や従業員の調整・管理、業務や収支の把握・管理などを一元的に行います。

人員配置基準を満たすには、一事業所に対し、常勤専従の管理者を1人以上配置する必要があります。管理者の業務に支障をきたさないと判断される場合は、施設内における他職種との兼務が可能です。令和6年度の介護報酬改定では要件がさらに緩和され、管理者の責務を問題なく果たせる場合に限り、同一敷地内でない事業所、施設であっても兼務が可能になりました。

看護職員

通所介護の看護職員は、利用者の健康管理や服薬介助、食事・栄養管理などを行う職員で、看護師または准看護師が務めます。事業所によっては入浴や排せつなど介護職員のサポート、機能訓練の補助を行います。

通所介護においては単位ごとに1人以上の配置が必要です。基本的に専従の介護職員を配置することが求められますが、外部の医療機関と連携し、人員配置基準を満たすことも可能です。連携先として認められるのは病院、診療所、訪問看護ステーションに限られます。その際、緊急時に駆けつけられる体制や、連絡がとれる体制を整えることが求められ、かつ、利用者の健康状態のチェックが必須です。

単位ごととは?

「同時に」または「一体的に」サービスが提供されている通所介護を1単位としてみなします。たとえば午前と午後の時間帯で、それぞれ別の利用者にサービスを提供している場合は、「同時に」という要件を満たしていません。この場合は2単位扱いとなります。

また、一定の距離がある2つの事業所で通所介護サービスを提供している場合も「一体的」とは言えないため2単位となり、それぞれに専従の看護職員を配置する必要があります。

介護職員

介護職員とは食事や入浴、排せつなど、利用者の日常生活をケアする職員です。機能訓練の補助や、レクリエーションなども行います。通所介護の介護職員の人員配置基準は以下のとおりです。

  1. 単位ごとにサービス提供時間に応じて専従で次の数以上(常勤換算方式)
    ア 利用者の数が15人まで1以上
    イ 利用者の数が15人を超す場合 アの数に利用者の数が1増すごとに0.2を加えた数以上
  2. 単位ごとに常時1名配置されること
  3. 1の数及び2の条件を満たす場合は、当該事業所の他の単位における介護職員として従事することができる
引用:通所介護及び療養通所介護 (参考資料)|社保審-介護給付費分科会第141回

利用定員別の計算方法は、記事後半で詳しく解説します。

生活相談員

生活相談員は利用者とその家族の相談対応、利用開始時の契約業務などを行います。生活相談員として活躍するには、社会福祉士や精神保健福祉士などの資格が必要です。

通所介護の人員配置基準においては、サービス提供時間につき、専従で1人以上配置します。その際、事業所ごとに配置が必要です。なお、生活相談員または介護職員のうち1人以上は、常勤職員を配置しなければなりません。

機能訓練指導員

機能訓練指導員は機能訓練の計画表を作成し、利用者に機能訓練を実施します。看護師や作業療法士、理学療法士などの有資格者を機能訓練指導員として配置します。

通所介護の機能訓練指導員は一事業所につき、1人以上の配置が必要です。事業所内で専従である必要はなく、他職種と兼務する職員でも人員配置基準を満たすことができます。

また、個別機能訓練加算(Ⅰ)イまたはロの算定においては、専従の機能訓練指導員の配置が必要です。この場合、病院や診療所など外部機関との連携で人員を確保することは認められません。

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【利用定員別】通所介護の人員配置基準とは?計算式も!

もっとも複雑な介護職員の計算方法について詳しく計算式を解説します。計算式は以下のとおりです。

((利用者数-15)×0.2)+1

たとえば利用者数が22人の場合は「(22-15)×0.2+1=2.4」となり、常勤換算で2.4人分の介護職員を配置する必要があります。利用者数別に、必要な人員をまとめた以下の表も参考にしてください。

【通所介護における利用者数別の人員配置基準】
  利用者数 ※1単位あたり
10人 20人 30人
管理者 1人 1人 1人
看護職員 1人以上 1人以上 1人以上
介護職員 1人以上 2人以上 4人以上
生活相談員 1人以上 1人以上 1人以上
機能訓練指導員 1人以上 1人以上 1人以上

通所介護の人員配置基準のポイント

通所介護の人員配置基準を満たすために、押さえておきたいポイントについて解説します。

仕事と家庭を両立させるための人員配置基準の緩和

令和6年度の介護報酬改定で「人員配置基準における両立支援への配慮」に関する内容が改正されました。

事業者が「治療と仕事の両立ガイドライン」に沿って短時間勤務制度を設けており、職員がこの制度を利用する場合、以下のように人員配置基準などが緩和されます。

  • 週30時間以上の勤務で常勤扱い可
  • 週30時間以上の勤務でも常勤換算で「1」として計算することが可

たとえば常勤職員の勤務時間数が週40時間の通所介護であっても、事業所の短時間勤務制度を利用した場合、週30時間勤務の職員を常勤として数えることができます。

生活相談員の勤務延時間数の緩和

平成27年度介護報酬改定で、生活相談員の勤務延時間数の要件が緩和されました。地域の町内会や自治会などと連携した事業所外での活動時間も勤務時間数に含めることができます。

具体的には、利用者の地域内での移動や、買い物支援をスムーズに行うため地域住民が集まる会議に参加したり、利用者に生活支援サービスを提供するためボランティア団体との調整を行ったりなどにかかる活動時間が認められます。

その際、活動内容や取り組みについて、事業所で適切に記録しておく必要があります。

看護職員の人員配置基準の緩和

平成27年度介護報酬改定で、通所介護における看護職員の人員配置基準が緩和されています。基本、専従での配置が求められますが、病院や訪問看護ステーションなどと契約し、適切な連携体制を整えていれば、専従でなくても構いません。この場合、以下の2つの要件を満たす必要があります。

  1. 営業日ごとに利用者全員に対し健康管理を行うこと
  2. 事業所に駆けつけられる体制を整えること

健康管理に要する時間は明確化されていませんが、各事業所で利用者全員の健康管理を行うのに十分な時間を確保することが必要です。また、2に関しては連携先から適切な指示を受けられる連絡体制の確保でも、要件を満たすことができます。

通所介護の人員配置基準を満たせない場合

開業前の指定申請時に人員配置基準を満たせていない場合は、指定を受けることができないので注意しましょう。開業後に人員配置基準を満たせなくなってしまった場合は、人員基準違反となります。介護職員および看護職員の人員配置基準を下回ると、人員基準欠如減算に該当し、基本報酬から70%減算されます。人員欠如が解消される月まで減算され続けるため、速やかに採用活動を行い、人員配置基準を満たすことが必要です。

地域密着通所介護の人員配置基準

利用定員18人以下の場合、小規模通所介護(地域密着型通所介護)に移行となります。基本的に通常の通所介護と人員配置基準の要件は同じですが、利用定員が10人以下になると人員配置基準が異なります。

利用定員10人以下の地域密着型通所介護では、看護職員または介護職員を常勤換算で1人以上配置すれば要件を満たしたことになります。

人員基準違反にならないよう適切な人員配置を!

通所介護の人員配置基準では、管理者・看護職員・介護職員・生活相談員・機能訓練指導員を必要人数配置することが求められます。基準を満たしていない場合、人員基準違反となり、行政処分や減算につながるおそれがあります。人員基準違反が頻発する場合、指定取り消しや全部効力停止のリスクがあるため十分に注意してください。

令和6年度の介護報酬改定で改定された人員配置基準の要件についても再確認を行い、ルールを正しく理解したうえで適切な運営を行うようにしましょう。

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