夜間看護体制加算とは?算定要件や単位数を解説

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夜間看護体制加算とは?算定要件や単位数を解説

夜間看護体制加算とは、緊急の夜間対応ができる体制を整えている事業所が算定できる加算です。具体的には看護職員の配置や、24時間対応できるオンコール体制の整備が必要になります。2024年度の介護報酬改定で見直しにより新たな評価区分が設けられ、夜間看護体制加算(Ⅰ)18単位/日(新設)、夜間看護体制加算(Ⅱ)9単位/日(変更)となりました。

この記事では夜間看護体制加算が基本から理解できるよう、算定要件から単位数、算定時の注意事項まで詳しくまとめました。よくあるQ&Aや、届け出の流れ、オンコール体制の方法なども解説します。


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夜間看護体制加算とは

夜間看護体制加算とは、夜間帯に緊急対応ができるよう、十分な体制を整えている特定施設などが算定できる加算です。看護責任者を決めたうえで看護職員の配置を行ったり、24時間対応ができるオンコール体制を整備したりなど、算定するにはいくつかの要件を満たす必要があります。

また、看取り介護加算の算定には、夜間看護体制加算が必要です。看取り介護加算の算定を目指す事業所は、夜間看護体制加算の算定要件をよく理解し、取得を目指しましょう。

夜間看護体制加算の必要性

夜間看護体制加算は入居者全員に算定でき、売上増が見込める加算です。加算により得られた利益を、夜勤務の看護師に対する追加の給与や手当にも利用すれば、採用率アップや従業員のモチベーションアップにつながる可能性があります。

高齢者向け住まいにおける運営形態の多様化に関する実態調査研究によると、76.4%の特定施設が夜間看護体制加算を算定していることがわかっています。

夜間看護体制加算の算定状況(特定施設のみ)

夜間看護体制加算の算定状況(特定施設のみ)
出典:高齢者向け住まいにおける運営形態の多様化に関する実態調査研究 報告書|令和3年度老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業分)

看取り介護加算の算定を目指す特定施設などは、夜間看護体制加算の届け出が必須となるため、取得後のメリットも考えて算定を行いましょう。

夜間看護体制加算の対象サービスと単位数

夜間看護体制加算の対象となる介護サービスは、以下のとおり特定施設のみです。

  • 特定施設入居者生活介護
  • 地域密着型特定施設入居者生活介護

2024年度の介護報酬改定で夜間看護体制が強化され、夜間看護加算(Ⅰ)、夜間看護加算(Ⅱ)と区分されるようになりました。
単位数はいずれの施設の場合も夜間看護体制加算(Ⅰ)が18単位、夜間看護体制加算(Ⅱ)が9単位です。

夜間看護体制加算の算定要件

夜間看護体制加算(Ⅰ)

  1. 常勤の看護師を1名以上配置し、看護に係る責任者を定めていること。
  2. 夜勤又は宿直を行う看護職員の数が1名以上であって、かつ、必要に応じて健康上の管理等を行う体制を確保していること。
  3. 重度化した場合における対応に係る指針を定め、入居の際に、利用者又はその家族等に対して、当該指針の内容を説明し、同意を得ていること。

看護体制加算(Ⅱ)

  1. 夜間看護体制加算(Ⅰ)の1、3に該当すること。
  2. 看護職員により、または病院、もしくは診療所、もしくは指定訪問看護ステーションとの連携により、利用者に対して、24時間連絡できる体制を確保し、かつ、必要に応じて健康上の管理等を行う体制を確保していること。

特定施設における看護職員の配置基準

夜間看護体制加算の算定要件に加え、看護職員の基本的な人員配置基準について理解しておくことが必要です。特定施設における看護職員の人員基準は、利用者数によって変動します。ルールは以下のとおりです。

利用者数 看護職員の人員基準
30人以下の場合 1人以上
30人を超える場合 30人に対し1人、かつ30人を超えた人数に関しては50の端数が増すごとに1人増員

計算例は以下を参考にしてみてください。

【計算例】

  • 利用者数が25人の場合は1人以上
  • 利用者数が70人の場合は2人以上
    (利用者数30人に対し1人、かつ40人に対し1人)
  • 利用者数が100人の場合は3人以上
    (利用者数30人に対し1人、50の端数が増すごとに1人増員のため、残りの70人に対し2人)

オンコール体制の方法

オンコール体制とは、緊急時にすぐ対応できるよう常時待機する勤務体制を指します。自宅などの職場外で待機し、施設から連絡があった際に出勤する方法が一般的です。

待機中は勤務時間外の扱いとなるため、多くは給与ではなく、オンコール手当を支給します。夜間看護体制加算を届け出る際には、「オンコール体制に関する取り決め(指針やマニュアルなど)の写し」が必要です。

ただし夜間の待機は看護職員の負担が大きい傾向があり、離職を招きやすかったり、なかなか採用につながらなかったりなど、大きな課題となっています。オンコール体制を敷く場合は、職場環境や手当を充実させるなどの環境整備が重要です。夜間に看護師を派遣してくれるオンコール代行サービスなどもあるため、検討してみましょう。

夜間看護体制加算の届け出の流れ

次に、夜間看護体制加算を算定する際に必要な書類や、届け出の流れについて解説します。

提出書類一覧

届け出る際の主な書類は、以下のとおりです。自治体によって必要な書類が変わる可能性があるため、詳しくは自治体の公式ホームページなどでご確認ください

  • 介護給付費算定に係る体制等に関する届出書
  • 介護給付費算定に係る体制等状況一覧表
  • 夜間看護体制に係る届出書(別紙9)
  • 勤務形態一覧表(別紙7)
  • 看護師の資格証の写し
  • オンコール体制に関する取り決め(指針やマニュアル等)の写し
  • 24時間連絡体制を確保していることが証明できる資料
  • 重度化した場合の対応に係る指針

24時間連絡が取れる体制を証明する資料としては、たとえばオンコール体制を規定した書類や、重要事項説明書などが考えらえます。外部の病院などと連携して体制を確保する場合は、契約書の写しなどを準備しましょう。

届け出の書き方

「夜間看護体制に係る届出書(別紙9)」には、事業所名や施設種別などの基本情報のほか、算定要件に関するチェック欄などに記入します。

夜間看護体制に係る届出書(別紙9)
引用:別紙9夜間看護体制に係る届出書|葉県庁

自治体によっては実際に勤務する看護職員などの人数を記載しなければならない場合もあります。詳しくは各自治体の届出書をご確認ください。

届け出の提出期限

特定施設が加算を算定する場合は、加算を算定したい月の初日までに届け出が受理されていなければなりません。基本的に前月末日までに届け出の提出が必要です。

また、自治体によっては上記より締め切りが早い場合があります。公式ホームページなどで事前によく確認しましょう。いずれにせよ、書類の不備や不足があった場合、審査が遅れる可能性があるため、余裕を持って提出することをおすすめします。

夜間看護体制加算のQ&A

最後に、夜間看護体制加算を算定する際に、よくある疑問点をQ&A形式で解説していきます。

加算の対象となる利用者は?

夜間看護体制加算は夜間帯に緊急の対応ができるよう事業所の体制を整える加算のため、算定要件を満たせば入所者全員に算定できます

重度化対応のための指針とは?

算定要件の1つ「重度化対応のための指針」においては、たとえば以下のような内容を盛り込むことが求められます。

  • 急性期における医師や医療機関との連携体制
  • 入院期間中における特定施設における居住費や食費の取扱い
  • 看取りに関する考え方、本人及び家族との話し合いや意思確認の方法等の看取りに関する指針

必ずしも上記すべてを指針に盛り込む必要はなく、事業所ごとに利用者の状況などを鑑みて項目を決めることが重要です。そのほか緊急時の各職員の対応や、職員に対する教育・研修などの項目を追加している事業所もあります。

この指針は入居に際し、利用者やその家族に説明し、同意を得る必要があります。運営指導でも内容の確認が行われるため、書類を整備しておきましょう。

特定施設における夜間の看護体制の現状

令和3年度の「高齢者向け住まいにおける運営形態の多様化に関する実態調査研究」によると、特定施設入居者生活介護における夜間体制の現状は以下のとおりです。

夜間の看護体制および訪問看護ステーションとの連携

夜間の看護体制および訪問看護ステーションとの連携、円グラフ
出典:高齢者向け住まいにおける運営形態の多様化に関する実態調査研究 報告書|令和3年度老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業分)

上記のグラフによると、訪問看護ステーションなどと連携している事業所は少ない傾向にありました。ほとんどの施設で、事業所の看護職員がオンコール対応も行っています。ただしオンコール待機は職員への負担が大きさから、離職につながりやすい傾向にあり、注意が必要です。

訪問看護ステーション、医療機関と連携してオンコール体制をとっている事業所の実情

訪問看護ステーション、医療機関と連携してオンコール体制をとっている事業所の実情、円グラフ
出典:高齢者向け住まいにおける運営形態の多様化に関する実態調査研究 報告書|令和3年度老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業分)

さらに訪問看護ステーションや医療機関などと連携している事業所のうち、24時間対応の訪問看護ステーションと連携している事業所は約3割ほどでした。半数近くが24時間対応の訪問看護ステーションが事業所に近くにないと答えており、新たな課題も見えています。夜間帯に対応できる訪問看護ステーションがない場合は、外部の病院や看護ステーションなどと連携する方法があります。

夜間看護体制加算を算定するには体制の整備が重要

夜間看護体制加算は夜間緊急時に十分な対応ができるよう、あらかじめ体制を整えている事業所が算定できます。算定するには看護職員の配置のほか、オンコール体制の準備など、現場の整備が非常に重要です。

特にオンコール対応は職員の負担が大きいため、あらかじめ対策を考えておきましょう。訪問看護ステーションと契約して看護師を派遣するほか、オンコール対応の代行サービスを利用するなど、さまざまな方法があります。事業所の看護職員にオンコール対応させる際は、手当を充実させるなどの工夫も検討してみてください。

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